負担を軽減する、サイナスフロアエレベーション

歯を失った際に行われるのがインプラント治療です。しかし、上顎の奥歯を失ってしまった場合、ただ単にインプラント治療を行うわけにはいかなくなります。そんな時はどのような方法で治療を行うのでしょうか？ 実際にその治療法を取り入れている、医療法人メディエフ寺嶋歯科医院の院長、寺島宏曜先生にお話を伺いました。

サイナスフロアエレベーションとはどんな治療法ですか？

 

 

上顎の奥歯を失った場合、インプラント治療が必要になってきます。

 

上顎には上顎洞（じょうがくどう）と呼ばれる空洞が存在していて、通常通りインプラントを入れようとしても骨が足りないというケースが多々あります。

 

そこで、その空洞の中に骨を移植していきます。

 

この仕組みをサイナスフロアエレベーションと呼んでいます。

 

 

この治療法にはどんな特徴があるのでしょうか？

 

 

従来の方法ですと、かなり大きく歯の粘膜を剥がして、大きく骨を取らないといけなかったんです。

 

そこで我々が考案したのが、削り取る骨の量をもっと少なくするために、マイクロスコープと非常に小さい医療器具を用いて、負担を抑え骨の移植を行うという新しい術式です。

 

 

新しい技術を用いることで、どんなメリットがありますか？

 

 

歯茎を切り開く量が少なくて済みます。

 

また、動脈を傷つけるリスクも減らすことが可能です。

 

そして何よりも、患者さんの術後の腫れや痛みが軽減できるという術式になっています。

 

従来、サイナスリフトというのは、術後の腫れや痛み、患者さんの体の負担がとても大きくて、我々開業医が行う術式では敬遠されてきた術式です。

 

しかし、近年マイクロスコープが開発されたことによって、とても安全で負担を抑えた治療を行うことができるので、より身近にサイナスフロアエレベーションを受けていただく機会が多くなったと思います。