腎臓の機能が低下し様々な症状が現れた場合には、生命を維持できない状態になっているため、透析を開始する必要があります。
腎臓の機能低下は糸球体濾過量(GFR)と呼ばれる検査で評価をします。
この検査は腎臓にある糸球体が、1分間にどの程度の血液を濾過できるかを表しています。
正常な腎臓では、1分間に100mLの血液を濾過することができますが、その量が1分間に10mL以下になってしまうと、吐き気・食欲低下・イライラする・痙攣・浮腫・貧血などの尿毒症症状が出現するようになります。
そのため現代の医学ではGFRを用いて、透析開始の指標としています。
日本では血液透析が一般的となっています。
血液透析の他には腹膜透析という方法もありますが、国内では3%ほどの普及率となっています。
血液透析は、身体表面に血液がたくさん流れるシャントというものを手術で作り、血管に2カ所特殊な針を刺します。
一方は体の外に引き出し、体の余分な水分を抜いたり電解質のバランスを整えて血液を浄化し、もう一方の針から血液を体内に戻します。
これを週に3回・1日4時間行います。
腹膜透析は、お腹の中にきれいな液を入れる管を手術によって入れます。
その管を使用して1日に2〜4回程度、透析液を入れ替えて血液を浄化します。
この腹膜透析は2種類あり、ご自身で1日2〜4回透析液を入れ替えて行うCAPDという方法と、就寝時に機械を使用して透析液の入れ替えを行うAPDという方法があります。
通院がメインとなる血液透析とは違い、腹膜透析は自宅で行えることがメリットとなります。