過活動膀胱では、主に4つの症状が出ます。
①トイレまで我慢できない
②トイレが近い
③夜何回もトイレのために起きる
④トイレまで我慢できず尿が漏れるといったものです。
女性の過活動膀胱は40歳から増加し、40歳以上の7人に1人が過活動膀胱を発症します。そのうち4人に3人が漏らした経験をしています。
過活動膀胱になると、膀胱の形に異常はないのに尿が少ししか溜まっていなくても、急に我慢できないような強い尿意を感じるようになります。
結果、尿の回数が増え我慢できず漏らしてしまうこともある、そういった症状がでています。
診断には、過活動膀胱症状表(OABSS)という質問表を使います。
まず質問3にある、急に尿がしたくなり我慢が難しいことがありましたかと言う質問に2点以上あれば、過活動膀胱である可能性が高いと考えられます。
その他の質問の中で、1点以上あれば、合計が3点以上となり過活動膀胱と診断されます。
過活動膀胱に伴う検査は以下のようなものです。
尿検査を行い、尿に血が混じっていないか、細菌やがん細胞がないかを確認します。
超音波を使った検査では、膀胱や腎臓に異常がないかを調べます。
治療に使われる薬は主に2種類です。
β3作動薬は、膀胱の筋肉を緩めて尿を溜められるようにします。
ベオーバ、ベタニスの2種類あり、特にベオーバは禁忌の対象となる方がいないため幅広く使うことができます。
副作用としては、便秘、口の乾燥、尿路感染がありますが、発生頻度としては1%程度と低いです。
抗コリン薬は、膀胱の過剰な収縮を抑えます。現在主に7種類の薬があります。
副作用としては、β3作動薬に比べると、便秘や口内乾燥の頻度が多く報告されています。
さきほど紹介した薬を3ヶ月継続しても改善が乏しい場合には、ボツリヌス毒素を膀胱の壁に注入する治療があります。
日帰り手術で、手術時間は10分程度、効果は4から8か月程度で、その間は内服する必要がありません。
方法は、膀胱鏡で位置を確認し、膀胱の筋肉へボツリヌス毒素を20カ所に注入します。副作用としては、尿路感染症が10%、残尿増加、尿閉が6%となっています。
膀胱訓練という方法があります。これは、日々の生活で予防することで、薬と同等の効果を出すことが証明されている方法です。
副作用などがないことから、まず行うべき治療となります。
簡単に言うと、尿意を我慢して膀胱の能力をもとに戻す訓練となります。
排尿日誌を付けると、より効果的です。もう一つの予防として、骨盤底筋体操があります。
やり方は、素早く、時々はゆっくり、肛門・膣を10秒ぎゅっとしめます→ 立ったままできるようになったら、仰向けの状態でもできるようにする、というものです。