これまでの補綴治療は、口の中に印象材を入れ、型を取り、模型を作り修復物を作製するといった工程でした。
現在のデジタル化された治療では、3D光学カメラで患部を撮影(スキャン)し、患部の歯列をモニター上に再現してコンピュータ上で修復物を設計し、そのデータをもとにミリングマシンが作製するというワークフローに大きく変化しています。
今後10年、20年先に、顔の変化や、歯周病の発症、歯そのものがなくなってしまうといったあらゆる変化に対して、現在の健康な口腔内のデータを取っておけば、できるだけ近い形に元に戻せる可能性があるということが一番のメリットだと思います。
患者さんの目の前の空間に患者さんの顔の3Dホログラムを出現させ、ヴァーチャルで治療の内容を説明するといったことができるかも知れない。
これは少し大きな話ですけど…。
例えば、動けなかったり、口が思うように開けられない患者さんに対して、今までは型を取る作業などが困難でしたが、デジタル化によって、ご自宅にいながら、無痛で口腔内のスキャンができるといったことが夢ではないと思います。
デジタル化の未来は、いろいろな視点を持つことで可能性が広がるのではないでしょうか。