ICLの手術は、ソフトコンタクトレンズのような柔らかい素材のレンズを眼の中に埋め込む手術です。
実際の手術の流れとしては、目薬で麻酔をした後、角膜の端に作った約3ミリぐらいの小さな穴から眼の中にレンズを挿入します。
レンズを埋め込む場所は、虹彩という目の茶色の部分と水晶体の間です。
手術にかかる時間としては、5分から10分ぐらいです。
手術に伴う痛みを訴えられる患者さんはほとんどおられません。
傷口も非常に小さいので、縫合の必要性すらありません。
従来、ICLは強度近視の患者さんが適応とされてきましたが、術後の視力回復の質が良く、患者さんの満足度が非常に高いことから、最近では中等度近視の方にも適応が広がっています。
術前検査に関しては以下の3点をチェックします。
①眼科的な検査(眼の中に病気がないかどうか)②視力・屈折の検査(近視・乱視の矯正量を正確に測る)③眼球の大きさなど細かいデータを計測(オーダーレンズの度数・大きさを決める)
以前は水晶体の近いところにレンズを固定していたので、水晶体が濁る白内障が起こりやすいとされていました。
しかし、最近のレンズでは白内障の発生が非常に少なくなっています。
一時的な眼圧(眼の中の圧力)上昇や感染症のリスクには注意を要します。
スポーツや眼をこする程度の刺激でレンズが外れることはまずありません。
ICL手術はレーシックと比べてリバウンドが非常に起こりにくいと言われています。
レーシックではレーザーで削った角膜が復元能力によって元の形状に戻りやすく、近視がリバウンドしてしまうのに対し、ICL手術は優れた光学特性のレンズを目に埋め込むだけなので、そのような角膜の復元が起きず、視力のリバウンドが起こりにくいです。
また、ICLレンズは生体適合性が非常に高いため、眼の中に留置して長期間たっても癒着しません。
そのため、たとえレンズの入れ替えが必要になった場合でも、交換が問題なくできます。