白内障手術の注意点

視界にもやがかかり、くもったように見える白内障。 手術で治療を行うことができますが、患者さん自身がどのような手術なのか、どのようなリスクがあるのかをしっかり理解しておくことが大切です。 今回は、北里大学 医学部 眼科 准教授 飯田 嘉彦先生に、白内障手術の注意点についてお話を伺いました。

 

白内障の予防法

 

 

加齢に伴い多くの方が経験すると言われている白内障ですが、予防法として、紫外線を避けることは重要と言われています。

 

また、抗酸化作用のある食べ物やサプリを摂取することも有効ですが、それらを摂取していれば大丈夫というわけではないため、注意が必要です。

 

そして、糖尿病ステロイド薬服用が必要な病気など、全身的な疾患で白内障が進行してしまうこともあるため、健康的な生活を心がけ、体調を整えておくことも大切です。

 

 

手術を受ける際の病院選びについて

 

 

白内障に対して、色々な治療の選択肢を提案し、手術を行えばよくなるというメリットだけをクローズアップするのではなく、手術のメリット・デメリットについてきちんと説明をしてくれる施設で手術を受けるようにしましょう。

患者さん自身が納得して手術を受けるようにしなければ、術中・術後に思っていた感じと違った、期待していた結果が得られなかったというような問題が起きる可能性があるため注意が必要です。

 

手術を受ける病院の規模に関しては、開業医では日帰りでの手術が多くなる一方、大きな病院では手術前後で入院することができ、それぞれに特徴があります。

術後すぐに自宅に帰りたい場合、自宅でのセルフケアが不安な場合、全身的な疾患があり他科にも受診歴がある場合、自分の状況に合った病院を選択されるとよいでしょう。

 

 

手術前に準備しておくこと

 

 

安心して手術を受けるためには、医療者と患者さんの間で、手術をする時・した後のイメージをきちんと共有できることが大切です。

自分の眼がどのような状態なのか、治療としてどのような手術を行うのか、手術前中後でどのような注意が必要なのかなど、しっかり把握しておかなければ、医療者の説明がよく理解できなかったり、実際に手術を受けてみてこんなはずじゃなかったと思ってしまったり、手術に対して無闇に恐怖心ばかりが募ってしまうといった問題が起こりかねません。

心配が少ない状態でより安心して手術を受けられるよう、不明点や不安なことは、診察時に医師に相談・質問しておきましょう。

 

 

術後の注意事項

 

 

白内障手術後の一番怖い合併症は、感染症です。

レンズを入れる時に眼に開けた小さな傷口から細菌が入り、眼内炎という非常に強い炎症を起こしてしまうと、緊急手術が必要になる場合や、残念ながら色々手を尽くしても失明してしまう場合があります。

白内障手術を行えば視界が見やすくなる、日帰りでも行える簡単な手術と思われているイメージがあるかもしれませんが、このような合併症が起こり得る可能性もゼロではないということは認識しておきましょう。

 

危険な眼内炎を防ぐために、術後特に最初の1週間は眼を清潔に保つことが大変重要な時期となります。

術後しばらくの間は洗顔・洗髪を控え、処方された点眼薬をしっかり使い、病院からの指示や注意事項をきちんと守って感染予防・炎症のコントロールを行う必要があります。

 

 

 

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飯田 嘉彦 先生

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