下肢静脈瘤とは?女性に発症しやすい?肥満がリスク因子に

下肢静脈瘤とは、下肢の皮膚表面に血管がボコボコと浮き出てくるような病態を主として、皮膚炎なども現れる疾患です。これは、静脈にある逆流防止の弁が上手く働かなくなることで起こります。 今回は、下肢静脈瘤の病態の概要と分類、発症リスクや診断に至るまでにチェックするポイントなどについて、横浜南共済病院 院長補佐の孟 真先生に教えていただきました。

 

下肢静脈瘤の概要:女性は発症しやすい!立ち仕事や肥満もリスク因子に

 

 

下肢静脈瘤の特徴は、ボコボコした血管あるいは皮膚炎が起こってきて、ひどい場合には潰瘍(皮膚のえぐれ)が生じてくるのが一般的です。

 

正常であれば下肢の静脈では下から上へと血液が流れていきます。

重力に逆らって上へと血液が流れるには、静脈内にある弁の役割が重要ですが、静脈瘤になると弁が上手く機能せずに、下へと流れて広がってしまいます。

下肢静脈瘤では、大伏在静脈という血管で逆流している場合が多いです。

弁が上手く機能しなくなる原因はよく分かっていませんが、一部では深い静脈に血の塊ができることによって発症すると言われています。

 

一次性下肢静脈瘤とは

 

下肢静脈瘤を発症しやすいのは、高齢者、特に女性の方が男性の2~3倍発症しやすいと言われています。

妊娠や分娩歴のある人立ち仕事の多い人にも起こりやすいと言われており、肥満は下肢静脈瘤を進行させる一つの因子だと言われています。

 

人種別に見ると、白人に多く、黒人には少なく、アジア人はその中間くらいの罹患率です。

患者数は非常に多く、総人口の数%に上ります。

ただし、全員に治療が必要なわけでは無く、日本人に関する正確な罹患データはまだはっきりしていません。

 

 

 

診断に至るまで:自覚症状で来院、超音波検査が有用

 

 

下肢静脈瘤の診断に至るには、まずボコボコした静脈瘤や血管が広がった様な症状を自覚して来院されて静脈瘤であることが判明することが多いです。

そこで、どの様な種類の静脈瘤なのかを診断していきます。

診察して実際に静脈瘤が見つかったり触れたりすると、診断は比較的容易です。

原因となる静脈瘤がどれなのかを診断するには、通常立位の姿勢で診察を行います。

 

下肢静脈瘤の診断法

 

本当に症状があるのか、皮膚炎や潰瘍があるのかなども確認していきます。

表れている症状が実際に静脈瘤によるものなのか、他の疾患を見落としていないかを確認することが一つのポイントとなります。

 

症状がなければ、特に治療せずに経過観察になることもあります。

診断で一番有用なのは超音波による検査です。

 

下肢静脈の超音波検査

 

 

 

下肢静脈瘤の分類:目立つものは比較的軽症、伏在型静脈瘤に要注意

 

 

下肢静脈瘤には、「クモの巣静脈瘤」と呼ばれる1mm以下の非常に小さいものと、膝の後にできることの多い「網目状静脈瘤」と呼ばれる2~3mm程度のものが非常に多いです。

大きい枝(静脈瘤)が目立つ静脈瘤は、目立つのみで症状としては重いものにならないので、特に心配する必要はありません。

 

あまり心配がない静脈瘤

 

皮膚内焼灼術などの手術対象になるのは、皮膚炎や潰瘍が生じやすい「伏在型静脈瘤」です。

これは、足の付け根から静脈の血流が逆流しているタイプの静脈瘤です。

ボコボコした静脈瘤が太腿あたりからできているため、大伏在静脈由来の静脈瘤であることが分かります。

このケースでは、重症化あるいは症状が出やすいと考えて良いでしょう。

痛みや皮膚炎、潰瘍のある患者さんは治療対象となります。

また、静脈瘤の中に急に血の塊ができてきて、今まで無症状だったのに急に症状が現れることがあります。

 

皮膚炎や色素沈着

 

皮膚炎の悪化と皮膚の硬化

 

下肢静脈瘤による静脈性潰瘍

 

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