尿路結石症の治療において、今までは9割のケースで体外衝撃波結石破砕術(ESWL)が採用されてきました。
しかし、ここ数年は、経尿道的尿管結石破砕術(TUL)を採用するケースが7割以上を占めています。
この理由としては、やはり成功率が高いことが一番に挙げられます。
また、レーザーファイバーという新しい内視鏡などが発達したことも理由の一つです。
最も負担なく、日帰りで実施可能なESWLの症例については、以前は年間500人程度であったのが、100~150人位に減少しています。
一方、TULの症例は400~450人程度と増加傾向にあります。
経皮的腎尿管結石破砕術(PNL)の年間治療数は全国で2000件弱ですが、本院では年間150~200件程度実施しています。
症例の多くで、PNLとTULの同時治療を行なっています。
尿路結石の治療後、尿管ステントと呼ばれるバイパスを体内に留置することがあります。
以前は尿路結石症の内視鏡治療を行う際は必ず留置しなければならないものでしたが、血尿や排尿痛、残尿感、下腹部の違和感など非常に苦痛を伴うことが多い処置でした。
これらの症状によって日常生活に支障が出ることが多かったため、現在のガイドラインでは、治療が問題なく行えていれば、なるべく尿管ステントを留置しないことが重要とされています。
尿管ステントの留置については、内視鏡手術の手技の良し悪しやステントそのものの材質などによっても様々な症状が起こり得ると言われています。
尿路結石症のガイドラインでは、1日に2リットルの水分を摂取することが再発予防として推奨されています。
水に近い、つまり透明で薄い尿をたくさん出す方が結石は形成されにくいのです。
日常的に体を動かすことで、結石が形成されたとしても、小さいうちに排出することが出来ます。
また、メタボリックシンドロームの人は尿路結石症に罹患しやすいことが分かっています。
尿路結石症の患者さんは非常に多く、自力で結石を排出する人もたくさんいます。
しかし、一度罹患すると再度罹患しやすくなるため、再発予防と、定期的な検診が重要です。
ガイドラインでは半年に一度の泌尿器科検診が推奨されています。