出生前診断を受けるということ 種類・検査法についても解説

出生前に胎児の疾患を見つけることで、早期から適切な周産期管理を行うために意義のある、出生前診断。 しかしこの検査が「命の選別」といった倫理的な問題にも繋がりかねない現状があります。 今回は、出生前診断の種類と検査法、出生前診断を検討されている方へのメッセージについて、国立成育医療研究センター副院長であり、周産期・母性診療センターのセンター長でもある、左合 治彦先生にお話を伺いました。

 

出生前診断の種類と検査法

 

 

出生前診断は大きく分けて2つの種類があります。

 

一つ目の形態学的検査は、胎児に形態異常がないかを見る超音波検査です。

妊婦健診の中で定期的に行われるものになります。

 

二つ目の遺伝学的検査は、新型出生前診断(NIPT)と呼ばれ、血液を用いて染色体を調べる検査です。

胎児が染色体疾患に罹患している可能性を考慮し、超音波検査で異常があった際などに選択的に受けることになります。

 

これらによって出生前に胎児の疾患を見つけることで、必要な治療が受けられる適切な場所で周産期管理が行えるという点で、非常に意義のある検査です。

 

 

出生前診断を検討されている方へのメッセージ

 

 

左合先生は、出生前診断を検討されている方へ、以下のように語りかけられています。

 

NIPTなどの出生前診断は、ダウン症や、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトウ症候群)といった、染色体の疾患に関する検査です。

 

ダウン症は、35歳で0.5%、38歳で1%、41歳で2%と、母親の年齢とともに発症率が高くなることがわかっています。

ダウン症で生まれても、学校へ行き、様々な仕事を持って過ごすことができますし、お子さんやその家族が得られている幸福感はそれぞれ異なります。

ダウン症への正しい理解が必要です。

 

また、胎児が生まれる時に抱えてくる病気は、ダウン症に限りません。

100人生まれると、2~3人には何らかの異常が見つかるのです。

子どもを持つという機会に際して「病気や障がいは自分には関係ない」という考えはやめて、それらが自分や家族にも起こりうることだと認識し、どう受け止めていくのか、どんな治療法があるのかについて、正しい情報を得て考えなければなりません。

出生前診断は、これらのことについてきちんと考えられた上で受けるべき検査です。

 

国立成育医療研究センターでは、遺伝カウンセリングを受けることができます。

出生前診断を検討する際や受けた後に、遺伝カウンセラーから意思決定を支援してもらうことができます。

出生前診断を検討することを契機に、今までは気にしていなかった、病気や障がいを持っている方や困っている方にも目を向け、もし家族や生まれてくる子どもがそうなった場合に、自分はどのように働きかけをすればよいのかについて考えることが重要です。

出生前診断に伴って難しい選択を迫られた場合には産婦人科医に相談し、適切なサポートを得ながら一緒に今後の方針を考えていくことも大切です。

 

 

 

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