妊娠糖尿病における産後のフォローアップについて

妊娠糖尿病は、妊娠中の治療が非常に重要ですが、出産後も病状の悪化がないか、フォローアップをする必要があります。血糖測定やHbA1c評価等をどのような方法・考え方で行っているのでしょうか。そして、今まさに治療をしている妊娠糖尿病の患者さんに向けたメッセージを、愛媛大学大学院医学系研究科・産婦人科学 杉山 隆先生に教えて頂きました。

 

産後のフォローアップ

 

 

産後のフォローアップにとして重要なものは、産後2-3か月くらいに75g経口ブドウ糖負荷試験を実施し、患者の耐糖能を再評価することが大切です。

この時点で耐糖能が正常型境界型(耐糖能異常)、あるいは糖尿病型かを評価します。

 

糖尿病型と診断される場合にはもちろん治療が必要となるが、しっかり評価することがスタートとなります。

耐糖能が正常であっても比較的将来2型糖尿病になる頻度は高いので、定期的なフォローアップが必要です。

次の妊娠を考えているような女性の場合には、コンセプションケアという視点からも、肥満の方には体重を減らして、授乳をしっかり継続してもらうといったことを教育・支援しています。

具体的には3か月ごとにフォローアップを行って、境界型で耐糖能異常がある場合には糖尿病内科にバトンタッチすることも行っています。

 

正常型で近々妊娠を考えていない方も、できれば産婦人科病院で定期的に子宮がん検診と併せて血糖値、HbA1c等を検査して、HbA1cが6以上になるようなことがあれば糖尿病専門医にバトンタッチしていく、そのような支援が必要になってくると考えます。

検診の間隔も、正常型では半年~1年に1回は受けてほしいところです。

 

 

患者さんへのメッセージ

 

 

妊娠糖尿病と診断されて驚かれる方もいれば、なんで私が、と感じる方もいると思います。

ただ、日本人は全体的にインスリンの分泌が悪いという背景があり、血糖値が妊娠中に高めになりやすい傾向があります。

それに対して食事に気をつけて頂く、血糖が高値ならば治療ではあるがインスリンを用いるといった方法で母体の血糖値をチェック・管理し、体重なども気をつけて頂くことで、母親と子供のいろいろな合併症を抑えることができるので、安心して治療を進めて頂きたいです。

何よりも妊娠中に診断を受けられたことで、産後お母さんは将来的に糖尿病リスクが他の方よりも少し高いと認識して頂き、お子さんに過剰な食事をとらせてしまい太らせないように家族で生活習慣を見直すきっかけになればと思います。

 

 

 

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