妊娠高血圧性腎症の早発型と遅発型の違い

妊娠高血圧症候群(以下、HDPとします)の中に、「妊娠高血圧腎症」という病気があります。 妊娠高血圧腎症は、発症する時期によって、特徴や対処法が変わってきます。 今回は、妊娠高血圧腎症の二つの型について、また、出産後に気を付けることなどについても、国立大学法人 富山大学長 齋藤 滋先生にお話ししていただきました。
出演医師 妊娠高血圧症候群(HDP)

齋藤 滋 先生

国立大学法人 富山大学

 

妊娠高血圧腎症の型の違いについて

 

 

妊娠高血圧腎症は、発症時期によって二つの型に分けられます。

妊娠34週未満までに発症するものを早発型それ以降に発症するものを遅発型と呼びます。

 

早発型は、胎盤が小さい新しいパートナーとのはじめての妊娠、などの特徴があります。

 

肥満や、高脂血症などがある場合には、遅発型になることが多いです。

 

早発型PEと遅発型PEの対比

 

 

妊娠高血圧腎症 早発型の対処法

 

 

早発型は、2021年7月から保険適応になったsFlt-1/PIGFを測る検査を取ると、その値がとても高いのが特徴です。

妊娠18週から36週未満で血圧が140/90mmHg以上で、尿蛋白がでたら、HDPと診断されますが、それより少し高い血圧130/80くらいで蛋白尿がでている赤ちゃんの発育が悪いへその緒の血流が悪いなどがあれば、その検査を取ることにしています。

そして、値が高い場合は、非常に注意しながら経過を見ていくこととなります。

 

 

妊娠高血圧腎症 遅発型の対処法

 

 

遅発型の場合は、赤ちゃんが元気で、お母さんの臓器障害がなければ妊娠期間をなるべく長く取る妊娠36週6日目くらいまで)ようにしています。

 

ただし、胎盤機能不全臓器障害などが出てきた場合には、すぐに出産に移行します。

 

37週以降だと、赤ちゃんが元気で、臓器障害がなくても、早めに出産を促します。

 

胎盤機能不全など、環境が悪くなっている場合には、ただちに出産に移行させます。

 

 

妊娠高血圧症候群の方の産後の健診と体調管理について

 

 

出産後に値が正常に戻っても、お母さんは、高血圧、虚血性心疾患、脳卒中や認知症のリスクが高くなることが分かっています。

 

妊娠高血圧腎症による発病のリスク

 

定期的な健康チェックは必要となります。

 

2週間健診の時には、血圧が安定しているか尿蛋白が消えているか、採血をして、肝臓や腎臓の値もみます。

ストレスチェックも行います。

赤ちゃんに関しては、体重が増加しているか便の状態黄疸はないかなどをチェックします。

 

一か月健診時には、お母さんの血圧が140/90mmHg以下で尿蛋白がでていなければ、そこで経過観察は終了となりますが、そうでない場合には、内科に紹介して治療を継続してもらいます。

赤ちゃんに関しては、二週間健診と同様のチェックを行います。

 

HDPになった方が日常生活で気を付けることとしては、塩分をとりすぎないようにすることです。

家庭用血圧計で、血圧を定期的にチェックすることも大事です。

 

授乳中はカロリーが必要ですが、授乳が終了したら、適切なカロリー摂取と栄養バランスに配慮して過ごしてほしい、定期的に運動をして肥満にならないよう注意をすることも大事、と齋藤先生はお話しされていました。

 

 

 

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