検査・診断については基本は尿所見でみます。
尿蛋白定性、尿潜血があるか、尿沈渣も重要です。
蛋白の量は、定性だけでなく定量かどうかも大事です。
早期の場合にはアルブミン量を見ないと正確なことが分からないことも多いです。
尿検査をよりまず検診以上の精密度で行うということが第一です。
血液検査は、免疫の異常や多発性骨髄腫のような特異的な治療が必要になってくる病気がないか見るための、除外診断として行っています。
明らかにCKDが、特に糸球体に何らかの障害がある場合、腎生検を行います。
生検芯を腎臓に刺し、組織を採取してその病理検査を行います。
局所麻酔をするので、あまり痛くはないですが、翌朝まで絶対安静というのが辛い検査です。
板橋中央総合病院には腎病理の専門医がいるので、どこよりも精度の高い検査ができるということが、特色の一つでもあります。
CKDのステージが最後の5、GFR換算15未満になってくると、服薬だけでは尿毒症になってしまう危険性がでてきます。
そうなると、自分の腎臓に変わる療法(腎代替療法)である、透析療法や腎臓移植が必要になってきます。
透析療法には二種類あります。
一つは血液透析で、これが一番多いです。
週に3回、平均4時間ベッドに横になり、血管に針を二箇所さして血液を浄化します。
もう一つは腹膜透析、腹腔の中にカテーテルを留置します。
そこに透析液を注入して、しばらくの間普通に生活してもらって、時間が来たら透析液を新しいものに変える、という方法です。
CAPDという方法は、一日3,4回時間が来たら変えます。
APDという方法だと、昼間はほとんど変えず夜だけ機械につないで 寝ている間に何回も交換するやり方になります。
QOLを維持するには最適な方法だと考えているので、板橋中央総合病院では最初にお勧めします。
実は、導入することができない施設の方が多いため、腎臓専門医であっても勧めないこともあるのですが、腹膜透析はぜひ増えていってほしいと思っています。
血液透析・腹膜透析ともに腎臓の代わりということで、腎臓を治すわけではないので、治療として最もよいのは、親族(血族)から腎臓を提供してもらう腎臓移植です。
最近は夫婦間での腎臓移植も増えています。
ただ、若い方がドナーだと長年一つの腎臓で生活していると、腎機能が低下することもあり得ます。
また、免疫抑制剤による感染症は重症化しやすく、ウィルスが消えないということもあります。
そのため、十分にリスクとベネフィットを考えて行ってほしいと思います。
腎臓移植ができる施設は限られています。
板橋中央総合病院のように多数の腎臓移植を担える施設は少ないので、役割としては非常に重要な機能だというように考えています。