鼻水や鼻詰まりなどの症状が出たからと言って、すぐにアレルギー性鼻炎として治療を行う訳ではありません。
治療を行う前に鼻の中の症状を含めて患者の詳細な症状を把握することは、診断を行う上で欠かせません。
小児患者の場合、自分の症状をうまく伝えることができない事が多々あります。
そう言った時は、保護者の見解を聴取することも必要です。
アレルギー性鼻炎として治療を行っているにも関わらず治らない場合、本当にアレルギー性鼻炎なのか?一度原点に立ち返ってみることも大切です。
そこで登場するのが「血清特異的IgE抗体検査」や「鼻粘膜誘発テスト」です。
血清特異的IgE抗体は身体の中のIgE抗体を検査することで身体の中でアレルギー反応が起こっているのかどうかを調べるためのものです。
「鼻粘膜誘発テスト」では鼻粘膜に直接アレルゲンと疑われる物質をいれ、鼻粘膜でのアレルギー反応を確認するためのものです。
治療を行う上で原因は何なのか?しっかり精査することが大切です。
代表的なものでは抗ヒスタミン薬があります。
通常人間はアレルギー反応によって、体内でヒスタミンを産生します。
ヒスタミンは人間のアレルギー症状に深い関係があり、鼻水・鼻づまりなどの症状を引き起こします。
抗ヒスタミン薬はこういったヒスタミンによる症状を緩和するためのものです。
薬物治療を始めるうえで大切な事は、患者の生活状況を把握することです。
仕事で忙しいのなら1日1回の服用で済むものにするなど、患者の生活スタイルに合わせる必要があります。
小児であればシロップ剤や粉など、剤形も考えます。
抗ヒスタミン薬による治療はアレルギー反応による症状を緩和するためのもので、対症療法にすぎず根治させることはできません。
そこで登場したのがアレルゲン免疫療法です。
この治療では、少量のアレルゲンをわざと身体に取り入れることで、身体をアレルゲンに慣れさせアレルギー反応を起こさないようにします。
治療がうまくいけばアレルギー性鼻炎や喘息を治すことも可能です。
しかし過剰な免疫反応によるアナフィラキシーショックを起こすなど、危険な面もあります。
例えうまく治療ができたとしても、時間が経つとぶり返すこともあるなどデメリットもあります。