アトピー性皮膚炎の診断・治療について

前回は、主にアトピー性皮膚炎について、全体的に概要をお伝えしました。 今回は、アトピー性皮膚炎の診断・治療について、使用されるお薬の種類や使い方を含めて、国立成育医療研究センター アレルギーセンター 総合アレルギー科の福家 辰樹先生に教えていただきました。

 

検査から診断に至るまで

 

 

アトピー性皮膚炎は基本的に問診・診察所見によって診断します。

 

血液検査はあくまで参考所見ですが、患者さんの8割位で血清のIgE値が高値になることが知られているので、診断の参考としています。

ヒョウヒダニ、ペットマラセチアなどの特異的アレルゲンIgE値が陽性になることも多く見受けられます。

 

アトピー性皮膚炎の病勢を推し量るような血液検査は、血清TARC血清SCFというものが保険適用となっています。

病勢を鋭敏に反映するため、患者さん自身が数値として客観的に見ることができます。

治療することで、悪かったTARCの値が正常化した、良くなった、あるいは見た目は良いがTARCは依然として正常範囲内に入ってない、などを確認することで、治療を継続するモチベーションにもつながることがあります。

 

 

重症度の評価

 

 

重症度の評価については皮疹の炎症の強さ(強い・軽い)面積(3段階)を組み合わせて評価します。

赤みが強かったり、浸潤(触れると硬いような強い炎症)が10%未満に見られる場合は中等症以上と言うことで治療をしっかり継続していかないと、場合によっては重症化するリスクも伴うので、今すぐ治療介入する必要があると考えます。

 

重症度の目安

 

 

アトピー性皮膚炎の治療法

 

 

治療法についてです。

まず皮膚の炎症を抑えるために、ステロイド外用薬等による薬物療法というのがあります。

同時に皮膚を清潔にして、表皮のバリアを補給するために保湿をするスキンケア、そしてアトピー性皮膚炎を悪化させている刺激因子を減らす、この三本柱をバランスよく継続していくことがとても重要になります。

 

アトピー性皮膚炎の治療

 

 

アトピー性皮膚炎の薬物療法

 

 

ステロイド外用薬は強さでランク分けされています。

体幹、腕、足には、表でいうⅢ群を、薬の吸収が良く、副作用が出やすい部位にはⅣ群のステロイド、このようなものを基準として使われる場合が多いです。

ただ、強い炎症がある場合には、より強いステロイド外用薬を用いるというように薬を使い分けることが一般的です。

病変の強さに応じて、適切な薬を使い分けていく、ということが必要になります。

 

ステロイド外用薬

 

 

薬の量や塗り方について

 

 

薬を塗ってもなかなか良くならないというお話を伺うことがあります。

薬の塗り方や量は適切でしょうか。

 

塗る際に、刷り込んだり薄く伸ばすと、肝心の場所に薬が行き届きません。

薬はたっぷりと乗せ、それをゆったりと伸ばすことが重要です。

 

ぬる量の目安と言うものがあって、Finger Tip Unit(FTU)と呼ばれますが、大人の人差し指の第一関節まで出した量が、大人の手のひら2枚分の面積を塗ることができる量、と言われています。

乳児に全身に塗布する場合には、すりきりで小さじ1杯が必要と言われています。

 

これだけしっかり塗ってちょうど良い量と覚えていただきたいと思います。

 

適切な薬の塗る量・塗り方

 

 

 

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福家 辰樹 先生
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