くも膜下出血や脳腫瘍で起こる頭痛は、二次性頭痛と言います。
一方、他の病気が無い状態で頭痛を繰り返すことが問題となるものを一次性頭痛(慢性頭痛)と言います。
一番多いのは、片頭痛や緊張型頭痛です。
また、罹患数は少ないものの激しい痛みを伴う頭痛として有名なのが群発頭痛です。
MRIやCTを撮影して検査を行っても異常が見つからないために、放置されていることが多いのが問題となっています。
片頭痛の特徴は、時々頭痛が起こることで、体を動かすのが辛かったり、寝込んでしまったりするほど日常生活に支障が生じるという点です。
また、吐き気を催す、光や音に過敏になることも特徴として挙げられます。
これらの症状は、片頭痛専用の薬を投与することで比較的コントロールできるものとなっています。
治療法が進んできている頭痛の1つです。
頭痛の診断では、他の疾患による二次性頭痛でないことを前提として、動作によって頭痛の悪化があり、日常生活に支障があることなどを基準として判断します。
これらの診断基準は、国際頭痛学会による国際頭痛分類で示されています。
トリプタンという片頭痛専用の薬があります。
これは、拡張した脳の血管を正常なサイズにまで収縮させたり、敏感になった三叉神経を鎮静させたりすることで、片頭痛にピンポイントで効果を発揮する薬です。
また、片頭痛の時、痛み以外に吐き気やその他の不愉快な症状がある場合は、吐き気止めの薬を併用します。
片頭痛は慢性的な疾患でありながら、その症状が起こるのは突発的です。
そのため、「どのような時に」「どのような条件で」生じることが多いのか、それぞれの患者さんが自身のパターンを知っておき、「症状が起こるのを予防する」ことも治療法として重要です。
例えば、天気が悪い時や月経の期間は、なるべく睡眠不足にならないように注意するなど、疲れにくい工夫をすることも一つの予防法です。
また、予防薬を用いる方法もあります。
カルシウム拮抗薬や抗てんかん薬、抗うつ薬、β-遮断薬などの薬があります。
片頭痛の治療法の中で、薬物以外の手法として最近話題になっているのは、「ニューロモジュレーション(神経刺激療法)」です。
これは、三叉神経を電気刺激することによって、脳を鎮静化させ、頭痛を起こしにくくするという治療法です。
他にも、頭痛の発作中の痛みを緩和するという治療も検討され始めています。
頭痛が起こった時、どのようなタイミングで受診するべきなのでしょうか。
他の疾患に伴って起こるような二次性頭痛に関しては「これまでに経験の無いような激しい頭痛」である場合、あるいはいつもの頭痛が次第に悪化して収まらないような場合には、一度病院を受診して、検査することをお勧めします。
一方、一次性頭痛に関しては、片頭痛など場合は緊急性が低いため、すぐに受診しなくてはならないわけではありませんが、日常生活を送る上で頭痛が障害となっている場合には、頭痛外来などの専門外来を受信すると良いでしょう。