緊張型頭痛は、片頭痛とは異なり、「重たい」「締め付けるような」痛みが症状の中心です。
症状は数時間から、長いと1週間以上、持続的に起こることがあります。
片頭痛とは違って、動作によって悪化したり、吐き気や光や音に過敏になったりといった症状は見られません。
緊張型頭痛は、「時々起こる慢性的な一次性頭痛」という分類になります。
緊張型頭痛の治療は、症状の発生頻度が少ない場合であれば、通常の鎮痛薬の処方で対処します。
一方、「症状が頻回に起こる」「1ヶ月の半分以上痛みが続く」といった、慢性緊張型頭痛の場合は、鎮痛薬を連続使用すると頭痛が悪化することがあります。
そのため、鎮痛薬ではなく予防薬を用います。
緊張型頭痛の予防薬として国際的に有効性が認められているのは、「アミトリプチリン」という抗うつ薬の一種です。
日本では、筋弛緩薬や「マイナートランキライザー」という精神安定剤が用いられていますが、海外では近年あまり使用されなくなってきており、アミトリプチリン等の抗うつ薬の方が良いのではないか、と言われています。
緊張型頭痛は、身体的・精神的なストレスが症状の誘因となることが多いと言われています。
身体的ストレスとは「長時間、同じ姿勢でいる」といったことです。
これに対しては、適宜休息を取ったり、ストレッチを行ったりするなどして、ストレスを避けることができます。
精神的なストレスに対しては、適度な気分転換が対処法として大切です。
群発頭痛とは、ある一定期間(1ヶ月~3ヶ月)、毎日・同じ時間に激しい頭痛が起こるタイプの頭痛です。
具体的には、片一方の目の周りから前頭部・側頭部の辺りを、激しくえぐられるような激烈な痛みが生じます。
「目が赤く充血する」「涙が出る」といった症状の他、自律神経症状が起こることも特徴です。
群発頭痛で痛みが生じるのは三叉神経領域と言われており、この領域の激しい痛みと自律神経症状で定義されています。
群発頭痛の発作時には、普通の鎮痛薬は全く効果がありません。
「スマトリプタン」という薬を注射投与することで対処します。
また、近年保険収載された「高濃度酸素吸入」も有効です。
これらの2つが、現時点で確実に効果がある、とされている発作時の治療法です。
群発発作が起こっている期間を「群発期」と言います。
群発期にはカルシウム拮抗薬の「ベラパミル」を用いることが国際的な標準治療となっています。
ステロイドを短期使用することと併せて、群発期のベラパミル使用が標準的な予防療法です。
但し、残念ながら現時点では「次の群発期が来ないように・起こらないように予防する」という治療法は存在しません。
そのため、予防療法は群発期にのみ行うのが一般的です。