前立腺肥大症の症状は?リスクのある人は?診断までの流れも紹介

前立腺は男性特有の臓器であり、膀胱に接している臓器です。前立腺は年齢とともに肥大することが知られていますが、全く自覚症状が無い人もいます。 今回は、前立腺肥大症の特徴や診断に至るまでに行う検査、治療法の選択などについて、 淵野辺総合病院・泌尿器科の設楽 敏也先生に教えていただきました。

 

前立腺肥大症の特徴:男性特有、60歳以上で尿の出が悪い人は要注意!

 

 

前立腺肥大症は、前立腺と呼ばれる男性特有の臓器に起こる疾患です。

60歳代から徐々に増える病気で、年齢と共に肥大していく人が増えていきます。

60~70歳台の6~7割の人に肥大が起こると言われています。

 

実際に病院を訪れるほど症状が強くなる人は一部です。

悪化すると、尿が出づらくなったりするため、そのような場合には病院での治療が必要となります。

 

前立腺肥大症の様子

 

 

前立腺肥大症の診断に至るまで:大きさを測定、自覚症状の有無が重要

 

 

前立腺肥大症の診断を行うためには、まず前立腺の大きさを計測する必要があります。

直腸診と呼ばれる、前立腺を直接指で診察する方法が一般的です。

 

また、最近では超音波検査も行われています。

超音波検査には2つの方法があります。

1つ目は、膀胱から経腹的に下腹部に超音波を当てることで、前立腺の大きさを測定します。

もう1つは、経直腸的に肛門から細い超音波プローブを入れる事で、前立腺に超音波を当てて診断する方法です。

 

経直腸的超音波断層診断法(TRUS)

 

また、前立腺の大きさの検査の他、尿の出が悪いかどうかを客観的に判断するために「尿流量測定」という検査もあります。

この検査では、尿が出る時の勢い・量を測ることができます。

 

尿流測定

 

前立腺肥大症の診断で最も大事なのは、自覚症状があるかどうかということです。

客観的にその症状を評価する方法として「国際前立腺症状スコア(I-PSS)」と呼ばれる指標があります。

このスコアによって自覚的な症状があるかどうかを点数化して、症状を分類しています。

 

国際前立腺症状スコア(I-PSS)

 

 

前立腺肥大症の治療の選択肢:日常生活への支障の程度で治療を選択、手術適応も

 

 

前立腺肥大症の治療において最も大事なのは、患者さん自身がどの程度困っているのか、日常生活に不便を感じているのか、という点です。

前立腺が肥大していて尿の出が悪くても、在宅中で何度トイレに行っても支障のないような人の場合では、積極的に治療する必要がない場合もあります。

 

また、現在は内服薬が発達しており、ある程度の症状であれば薬の服用のみで改善することが期待できます。

内服薬で症状が改善する場合は、それ以上の治療は必要ない、というケースが非常に多くなっています。

 

膀胱に尿が溜まって出せない状態(「尿閉」と言います)では、とても辛いため、確実に手術を行うことになります。

また、膀胱に尿が溜まる状態が続く、慢性尿閉の状態になると、膀胱から尿管・腎臓への負担が徐々に大きくなっていき、気づかぬうちに腎臓の機能が低下する場合があります。

このケースでも、尿が残る状況を改善しなくてはならないため、手術をする可能性があります。

さらに、膀胱に石ができた場合、痛みが出たり、尿が出せない・詰まるといった可能性があります。

これも手術の積極的な適応の一つとなります。

 

血尿が酷く、何度も繰り返す場合も、手術によって止血し、肥大症を治す必要があります。

また、前立腺肥大症だと思っていても、実際にはがんであるというケースがあります。

 

前立腺肥大症の症状の分類

 

「尿の出が悪いのは年齢のせいかな、前立腺肥大かな」と思っていても、実は違うかもしれません。

気になる症状がある場合は、泌尿器科を受診して相談してみましょう。

 

 

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