ナルコレプシーとは、前夜に十分な睡眠をとったにも関わらず、日中に強烈な眠気が1日に何度もやってくる病気のことです。
症状の特徴としては、15分程度の睡眠で、1時間程度スッキリした状態になる事が挙げられます。
15分でも睡眠をとりさえすれば、その後ズルズル眠気がやってくる、という症状は少ないと言われています。
入眠後にも、ナルコレプシー特有の症状があります。
それが入眠時の幻覚と入眠中の金縛りです。
症状が重篤になるに応じて、眠気も強くなってきます。
「2日間程度徹夜した状態」と比喩されることが多いようです。
しかし眠気とは別に「情動性脱力発作」という発作が出現することがあります。
この発作は重度のナルコレプシー患者に出現しやすいと言われています。
症状としては、笑ったり喜んだりした時に、身体の力が抜けてしまう症状になります。
「身体の力が抜けてしまう」の具体的な症状としては、物を握ったり、立ちあがったりすることが出来なくなってしまう、という事が挙げられます。
オレキシンは人間の「覚醒」に関わるホルモンとされ、脳内のオレキシン神経系で作られています。
ナルコレプシーの主な原因は、このオレキシン神経系の機能障害が関係しているのではないかと考えられています。
症状が重篤な場合に出現する「情動性脱力発作」がある時は、オレキシン神経系が脱落している可能性が高いとも言われています。
逆に眠気がひどくても、発作が出ていない時は、オレキシン神経系が保たれている可能性があります。
眠気の原因は、オレキシン神経系以外にもある可能性があり、ナルコレプシーの詳細な原因はいまだにわかっていません。
ナルコレプシーは思春期くらいの年代に多いとされていますが、30代でも出現する例もあります。
どちらの年代も、学業や仕事などで多忙な時期になります。
ナルコレプシーによって、日々の生活を満足に送れない、といった悩みを抱えている方も少なくありません。
日本での有病率は600人に1人と言われていますが、世界的な有病率の場合、1000人に1人とされています。
有病率という観点では、日本でのナルコレプシー患者は多いと言えます。