ナルコレプシーに大きく関係しているホルモンとして、最近はオレキシンが注目されています。
しかし、以前から注目されていたホルモンはドパミンでした。
ドパミンは覚醒や血圧などに関わるホルモンです。
日中に多く産生され、夜間には産生量が低下します。
ナルコレプシーではこのドパミンの産生異常により、日中の眠気や夜間の睡眠不良に関わっていると考えられています。
ナルコレプシーの過眠症状に関しては、脳内のドパミンを増やす薬を使用します。
ドパミンは日中に多くなりますので、朝方に服用していただきます。
症状に応じて、朝1日1回だけ服用する場合もありますし、朝と昼の1日2回服用する場合があります。
本来、ドパミンは夜間になるにつれ減少し、睡眠を促します。
しかし薬の影響で夜間のドパミンが増えてしまい、更に不眠を促す事が考えられます。
そんな時は、ドパミン薬の量を調整したり、睡眠導入剤を使用することで夜間睡眠の安定を図ります。
情動性脱力発作や金縛りといった症状に対しては、抗うつ薬やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)が有効とされています。
重度の情動性脱力発作には、オレキシン神経系の脱落が関わっていると言われており、オレキシンの活動を促す薬で効果が期待できると考えられます。
しかし、現在オレキシン関連の薬はなく、治験を行っている段階となっております。
ナルコレプシーと診断され、治療が始まったとしても、すぐに症状が改善するわけではありません。
症状が改善したとしても、もとの社会生活に戻ることがなかなか難しい事もあります。
そんなナルコレプシーに苦しむ患者の集まりが、なるこ会です。
なるこ会では、自分たちの日々の生活での苦悩や、自分なりの症状への対処方法について情報交換しています。
薬で治療出来なかったとしても、日々の生活の工夫で対応できるケースもあります。
そういった情報を共有できる場を設けることで、患者同士で支え合い社会復帰を目指しています。