インフルエンザの症状は、突然の高熱(38度以上)で発症することが多いです。
さらに、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛、上気道炎などの症状がつづき、1週間くらいで自然軽快します。
通常のかぜ症候群に比べると、インフルエンザの方が筋肉痛、全身倦怠感などの全身症状が強く出るのが特徴です。
一部の人は、肺炎や脳症などの合併症を起こして重症化する場合があります。
主な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。
飛沫感染は、せきやくしゃみによってウイルスが拡散し、近く(大体2m以内)にいる人の鼻腔や口腔内に入り込むことで感染します。
接触感染は、ウイルスが付着した手で目や鼻を触ると感染します。
まれに空気感染もあるのではないかと言われています。
空気感染は、密閉された空間で水分が蒸発し飛沫核という微粒子が空気中を漂うため、それを別の人が吸入することで感染します。
2019〜2020年のシーズンでは、インフルエンザのA(H1N1)pdm09型が増えていました。
国立感染症研究所のインフルエンザウイルスの分離・検出報告数では、年末にかけてピークを迎えています。
年明けには下がり始め、2月半ばにはほとんど報告されなくなっていました。
しかし、2020〜2021年では新型コロナウイルス感染症の流行による感染対策が徹底され、インフルエンザ自体が少なく、A(H1N1)pdm09型は少ししか報告されませんでした。
日本以外にも、例えばオーストラリアでも同様の状況でした。
オーストラリアは、南半球のため日本よりも時期が少し早く、毎年夏にインフルエンザが流行します。
従来は6〜10月頃に流行のピークを迎えていましたが、2020年、2021年ともにインフルエンザはほとんど報告されていません。
日本では2021〜2022年の今シーズンは、従来の患者数がピークになる1〜2月でも感染者はほとんどいません。
しかし、インフルエンザが必ずしも流行しないとは言い切れません。
WHOのFluNet(世界各国のインフルエンザ報告数)によると、アメリカでは2021年末からちょっとした流行が起きています。
年末のピーク時は週8000例、2022年になっても2000例の新規感染者が報告されています。
中国では2021年初頭から一定数の感染者が報告されており、2021年末にかけて週3000例に急増しています。
インフルエンザは海外から人とともに入ってきます。
2019〜2021年の2シーズンは、日本ではインフルエンザの感染者がほとんどいなかったため、社会全体の集団免疫が低下している可能性があります。
そのため、一度ウイルスが入ってくると、流行が起こりやすい状況にあるため注意が必要です。