びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療法:検査から投薬に至るまで

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びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、悪性リンパ腫の1つであり、リンパ球の中のB細胞から発生するリンパ腫です。自覚症状が無いことが多いですが、全身の臓器に発生する可能性があるため、病変ができる部位によってその症状は異なります。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の詳しい症状や検査の方法、さらにステージの分類、一般的な治療方法などについて、国立がん研究センター中央病院・血液腫瘍科の伊豆津 宏二先生に教えていただきました。

 

年間3万人の悪性リンパ腫のうち3割はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫!

 

 

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫

 

 

悪性リンパ腫と診断される患者さんは1年間におよそ3万人と言われています。

その内の25~30%程度びまん性大細胞型B細胞リンパ腫と言われています。

 

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、リンパ節が腫れたり、臓器にコブのようなものやそれ以外の病変を形成するリンパ腫です。

リンパ節は腋の下胸部腹部など様々な場所にあるため、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は色々な場所に病変ができる可能性があります。

病変が大きくなる速さは、治療しなければ週~月の単位で大きくなります。

比較的早い経過で進行する疾患です。

 

 

検査から診断まで:生検で診断、さらに病変の広がりなどをPET-CTなどで検査

 

 

リンパ腫の診断

 

 

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の診断のためには、まず「生検」と呼ばれる検査が必要です。生検では、病変組織を一部採取して顕微鏡でその状態などを調べます。

また、病変がどのように広がっているかなどを調べるために、PET-CT骨髄検査上部消化管内視鏡(胃カメラ)などを行います。

 

 

病期の分類(Ann arbor分類)について:4つのステージで分類

 

 

Ann Arbor分類

 

 

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の病期(ステージ)は「Ann arbor分類」と呼ばれる分類法によって分けられます。

 

例えば、右の首に数個のリンパ腫脹が限局している場合はステージⅠ、首と脇の下に病変が見られる場合はステージⅡ、横隔膜を挟んで胸部と腹部の両方に病変が見られる場合はステージⅢ、さらに骨髄や肝臓などのリンパ外臓器に広い範囲で病変がある場合はステージⅣと分けられます。

また、ステージⅠ・Ⅱ限局期ステージⅢ・Ⅳ進行期と言います。

悪性リンパ腫は手術で治療することが一般的ではなく、通常は薬物療法放射線治療の対象です。

ステージⅢ・Ⅳでも末期というわけではありません。

 

 

初回治療の「R-CHOP療法」とは:5つの薬剤投与を繰り返し行う

 

 

R-CHOP療法

 

 

びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫に対する初回治療として、「R-CHOP療法」という化学療法が標準治療で用いられます。

R-CHOP療法では5種類の薬剤を使います。

R-CHOPの「R」は「リツキシマブ」と呼ばれる薬剤の頭文字で、抗CD20抗体の点滴薬であり、CD20とは細胞膜の表面に発現しているタンパク質に対する抗体のことです。

 

また、「CHOP」の頭文字はそれぞれ、C=シクロホスファミド、H=ドキソルビシン、O=ビンクリスチン、P=プレドニゾロンの4つの薬剤を表しており、Pはステロイド剤の飲み薬が一般的、それ以外は注射や点滴で投与します。

このような薬剤の投与を3週に1回行います。2回目以降の投薬外来通院で可能です。

 

 

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の初回標準的治療

 

 

進行期の場合にはR-CHOP療法を6~8サイクル繰り返しますが、限局期のケースに対しては、放射線治療で当てきれる範囲に病変が限られている場合には、R-CHOP療法を3サイクルと放射線治療の併用治療が行われます。

順序としては、R-CHOP療法をまず行い、その後に放射線治療を行います。

 

 

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