脳卒中の種類と症状

発症すると、後遺症によりその後の健康寿命やQOLに大きく影を落とす脳卒中。 脳卒中の特徴や、発症の危険因子、発症予防のためにできることがあることをご存知ですか? 今回は、京都大学医学部付属病院病院長 宮本 享先生に、脳卒中の種類と症状についてお話を伺いました。

 

脳卒中の概要

 

 

脳卒中とは、脳の血管が閉塞または破れることにより、脳が障害を受ける病気です。

 

異常の種類により以下の3つに分類されます。

①脳梗塞:動脈硬化のためにできた血栓が脳血管に詰まる②脳出血:脳内の小さな血管が高血圧などにより破れて出血する③くも膜下出血:脳表面を覆うくも膜の下にできた脳動脈瘤が破裂し出血する

 

かつて脳卒中は、日本における死因第一位でした。

現在は治療・予防の開発が進み、脳卒中による死亡者数は減少しましたが、脳卒中を発症する患者さんの数自体は大きくは減少していません。

 

脳卒中死亡の内訳

 

脳卒中になると脳組織がダメージを受けるため後遺症が残る場合が多くあります。

日本の平均寿命と健康寿命の差は10年あると言われており、脳卒中は、要介護状態となってしまい健康寿命を縮める一番の原因となっています。

 

 

脳卒中の危険因子

 

 

脳卒中の発症は、生活習慣と大きく関連しています。

 

危険因子には以下のようなものがあります。

・高血圧・糖尿病・脂質異常症・心臓病(特に不整脈)・メタボリックシンドローム

これらは、塩分・糖分・脂っこいものの過剰摂取や、慢性的な運動不足など、不健康な生活によって引き起こされます。

また、アルコールの多量摂取喫煙も、重大な危険因子となり得ます。

 

 

脳卒中と不整脈の関連性

 

 

危険因子の一つに、心房細動という不整脈があります。

 

心房細動とは、心臓の心房という部分が不規則に動くことで心臓内に血栓を生じやすくなる疾患です。

心臓でできた血栓が血流にのって流れていき、脳の血管で詰まってしまうと、脳梗塞が引き起こされてしまうのです。

 

心臓病の発症にも、脳卒中と同じリスク因子が関連しています。

不整脈を予防するためにも生活習慣改善が重要です。

 

 

脳卒中の特徴的な症状

 

 

脳卒中では、障害される脳の部位により、出現する症状に左右差があります。

右の脳が障害されれば左半身に、左の脳が障害されれば右半身に症状が現れます。

 

脳卒中の特徴的な症状はFASTで分かりやすく覚えることができます。

F:Face…顔の片側が歪んでいるA:Arm…両腕を前に出そうとしても片腕が落ちてしまい支えきれないS:Speech…言葉がうまく話せない ろれつが回らないT:Time…時間が大事!

突然の激しい頭痛や、意識障害などの症状を呈する場合もあります。

脳卒中では、時間の経過とともに後遺症が残る確率が高まります。

時間との戦いなのです。

 

最後のTimeには、一刻も早く救急車を呼んで来院してほしいという意味が込められています。

脳卒中を疑ったら、すぐに119番に通報しましょう。

 

 

脳卒中の検査・診断

 

 

脳卒中の検査・診断には、CTやMRI、カテーテル検査などを用います。

その後、急性期治療において手術や点滴治療・カテーテル治療、薬物治療を行い、治療が落ち着いた段階で、急性期・回復期・維持期と、長期的なリハビリテーションが始まる流れになります。

 

一般的な脳卒中治療の流れ

 

 

 

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