過敏性腸症候群とは:原因はストレス?診断はどうやってするの?

過敏性腸症候群(IBS, irritable bowel syndrome)とは、がんや炎症など特別な原因が無いにも関わらず、数カ月にわたって腹痛など胃腸の調子が悪い状態が続く疾患です。有病率は1割程度と言われており、決して珍しい病気ではありません。 今回は、過敏性腸症候群の定義や病態、診断基準などについて、川崎市立川崎病院内視鏡センター所長 慶應義塾大学医学部内科学客員教授の正岡 建洋先生に教えていただきました。

 

過敏性腸症候群とは:便通異常を伴う症候群

 

 

過敏性腸症候群は、国際的なローマ分類の最新版・ローマⅣ分類においては、「腹痛・下痢・便秘など便通の異常を伴う症候群」と定義されています。

実際、外来に来られる患者さんは、痛みが無くても違和感、さらに便通異常(下痢・便秘)を訴えてくることが多いようです。

 

過敏性腸症候群の罹患率は、どの国でも10%程度と言われています。

有病率の変化という点で増減はあまりありません。

最近の罹患率は10%付近でほぼ安定していると考えられています。

どちらかと言えば、先進国に多いと言われています。

 

 

過敏性腸症候群の病態:ストレスと内臓の知覚過敏の2つの病態、腸内細菌が鍵に?

 

 

過敏性腸症候群の病態としては、精神的なストレスに伴って敏感になっている部分と、お腹の中で知覚過敏の状態になっていて通常でも感じない刺激にも反応してしまうという部分があります。

 

最近注目されているのは、腸内細菌です。

様々な疾患との関連性が注目されていますが、過敏性腸症候群の臨床においても、腸内細菌を標的とした治療が試みられています。

腸内細菌の構成は、幼少期にある程度決まると言われていますが、もちろん、劇的に食生活が変わったりすると、影響を受けることが考えられます。

 

 

過敏性腸症候群の診断基準:他の疾患を除外して症状を元に診断

 

 

過敏性腸症候群の診断は、ローマⅣ基準によると、症状を元に行われます。

がんや炎症性腸疾患など内視鏡で分かるような疾患を有していないにも関わらず、上で述べたような症状があることが、診断のポイントです。

つまり、他に可能性のある疾患を除外していった上で、症状を元に診断と評価をします。

 

肝機能障害が血液で分かるバイオマーカーような、確実な指標といったものはまだ確立されていません。

 

 

過敏性腸症候群のタイプ分類:症状によって4つに分けられる

 

 

過敏性腸症候群のタイプ分類は、便秘が主体の「便秘型」、下痢が主体の「下痢型」、便秘と下痢が混合している「混合型」、どちらの症状が優位とも言えないが腹痛がある「非特異型」の4つに分類されています。

ここで注意しなければいけないのは、下痢と便秘では、下痢の方が目立つ症状であるということです。

 

患者さんは市販されている下痢止めを服用することもあるかと思います。

下痢と便秘を繰り返されている患者さんでは、便秘の方がメインの症状であることもあります。

そのような場合、下痢止めを服用すると、症状の悪化を招くことになります。

 

どのタイプの過敏性腸症候群で、どのような処置が必要であるかは、慎重に検討する必要があるということです。

 

 

 

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