不整脈の治療に用いる抗不整脈薬には、非常に効果の強いものから効きの弱いものまで様々ありますが、長期間服用していると、心機能を悪化させたり、合併症を招いたりする恐れがあります。
さらに抗不整脈薬によって別の種類の不整脈が起きるという「催不整脈作用」によって致死性の不整脈が起こることがあります。
抗不整脈薬を用いた治療は、これらのことを鑑みて行う必要があります。
カテーテル治療は不整脈の根治が期待できる治療法の一つです。
治療しやすい場所はある程度推測できるため、この場所に合致する様なケースで、カテーテル治療の成功率が極めて高いと考えられる場合、カテーテル治療の実施を相談します。
一方、不整脈が起きている場所がカテーテル治療の実施が難しいポイントで、成功率が低いと予想される場合には、経過をよく観察しながら投薬を調整していきます。
カテーテル治療が難しいケースの例としては「不整脈の起きている場所が10ヶ所以上ある」といったものが挙げられます。
また、心筋梗塞に合併した不整脈によって、心臓の機能が悪化して心不全の原因になっている場合は、そのきっかけとなっている心室性不整脈を治療します。
心臓の機能が特に低下していない様な特発性の心室期外収縮や、重度ではない不整脈のケースでは、3泊4日の入院期間をとった上で、その1ヶ月後に外来で診察を行います。
そこで24時間ホルター心電図などを計測して、治療前と比較して判断します。
冠動脈造影や心臓の血管を広げる治療は、手首にだけ注射をして、1ヶ所から管を入れるのが主流となっています。
一方、不整脈の治療では、心臓の電気の流れを記録して行うため、心臓の中にカテーテルを3~5本程度挿入します。
そのため、それらのカテーテルを1ヶ所から体内に入れるには、大腿静脈を入口とする必要があります。
患者さんにはこのことを留意していただきたいと思います。
人によっては足の付け根からカテーテルを挿入することに抵抗感のある人もいますが、不整脈治療では標準的な方法であることをご理解頂きたいです。
不整脈を疑った場合、まずはかかりつけ医を受診しましょう。
その上で、紹介状を持って専門の医師のいる病院へ行く、という流れが一般的です。
患者さん自身で調べて、来院される人もいます。
どうしてもかかるべき病院が分からない場合は、日本不整脈心電学会のHPを見てください。
不整脈専門医のリストが掲載されており、各都道府県にいる専門医を確認することができます。
ただし、心臓カテーテルアブレーションの実施数までは記載していないため、主治医に尋ねて紹介してもらうのが良いでしょう。
ある程度の治療実績のある病院が近くにあれば、通院しやすいですし、受け入れもスムーズだと考えられます。