認知症の種類とアルツハイマー病:原因は何?リスク因子は?

認知症は、「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」と定義されていますが、その治療方法はいまだ無く、発症機序も不明な点の多い疾患です。 高齢化が進む日本においては、認知症の治療方法の開発はもちろんのこと、「社会が認知症に対する理解を深めること」が喫緊の課題と言えるでしょう。 今回は、認知症の種類と、認知症の中でもよく知られているアルツハイマー病の発症原因などについて、横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 臨床研究部の秋山 治彦先生に教えていただきました。

 

認知症の種類:認知症も様々!若年者から高齢者まで多様な病態

 

認知症の病態には2つの要素があります。

1つが認知機能の低下、もう一つが認知機能が低下した結果、生活に支障が出てくるということです。

この2つの要素があって初めて「認知症」と呼ばれます。

 

「認知症」と一括りにしても、その種類は様々です。

アルツハイマー病血管性認知症レビー小体型認知症など、その病態や発症原因によって分類されています。

 

認知症の人のうち、3分の2がアルツハイマー病と言われています。

血管性の認知症は、脳の動脈硬化や脳梗塞、脳出血によるものです。

また、「レビー小体型認知症」は、アルツハイマー病と似ている病態ですが、パーキンソン病に近い症状を伴います。

また、若い人で発症しやすいのが「前頭側頭型認知症」と呼ばれるもので、昔は「ピック病」と呼ばれていました。

 

一方、80歳以上の高齢者で発症しやすいのが「高齢者タウオパチー」です。

アルツハイマー病と似た病気ですが、脳の変化はアルツハイマー病と異なっており、その患者の数は増えてきています。

高齢者の特徴として、複数の脳の疾患が同時に発生しており、その結果として認知症になっている、というケースがあります。

 

 

アルツハイマー病の発症原因:異常タンパクの蓄積が有力原因

 

アルツハイマー病の発症原因は、厳密にはまだ解明されていませんが、可能性が高いとされているのは、脳に「アミロイドβ」というタンパク質が異常な形で蓄積してしまうことです。

その後、「タウ」と呼ばれる別のタンパク質が異常な形になって、脳の神経細胞の中に溜まってきます。

この2つの変化が発症の背景にあると考えられています。

 

アルツハイマー病発症の直接の原因は、神経細胞の働きが低下して、あるいは神経細胞の数が減少することですが、そこに至るまでのプロセスに2種類のタンパク質が異常に蓄積する、という現象があると考えられているのです。

 

 

アルツハイマー病のリスク因子:リスクは多様、生活習慣の影響は大きい

 

アルツハイマー病は、正確に診断するのが難しい病気です。

アルツハイマー病のリスク因子と考えられている事象はたくさんありますが、それが必ずしもアルツハイマー病の発症に関係しているかというとそうではありません。

 

しかし、その中でも「加齢」は大きなリスク因子の一つです。

遺伝性でアルツハイマー病を発症する人は非常に稀で、70、80歳になって発症する人が遺伝性であることはほとんどありません。

遺伝子の異常よりも、頻度が高く起こるような遺伝的体質で、アルツハイマー病になりやすい・なりにくい、ということは言えます。

 

動脈硬化高血圧高脂血症糖尿病など血管の変化が起こりやすくなる状況は、アルツハイマー病のリスクであると考えられています。

また、糖尿病はそれ自体がアルツハイマー病のリスクです。

 

また、認知症全般にいえるリスク因子として、活動量の低下があります。

運動量や社会的な活動(人との繋がりなど)が減少することは、認知症発症のリスクと考えられています。

 

その他、喫煙偏食繰り返し起こる頭部外傷難聴などもリスク因子だと言われています。

 

 

 

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