アルツハイマー型認知症の非薬物療法・予防について

前回は、アルツハイマー型認知症をどのようにして診断し、内服などで治療していくかについて、関西医科大学 神経内科学講座 主任教授 藥師寺 祐介先生より、お話ししていただきました。 今回は、アルツハイマー型認知症の予防のために、お薬を使わない治療についてや日常生活で気を付ける点などをうかがいます。

 

アルツハイマー型認知症の予防法

 

 

ある程度の運動や、頭を使う趣味など、そうしたものが一つのカギになってきます。

味が多い人、運動量が多い人は予防効果があるというのは、研究結果のデータとして出ています。

具体的に何がいいのか、どのような趣味・負荷がいいのかというところまでは言いにくいですが、例えば介護保険を利用してデイサービスに通う、などはいいでしょう。

家の中じゃなくて外にでかけると、頭を使う趣味や運動ということの課題は解消されるので、デイサービスを利用するというのは一つ非薬物療法のいいモデルではないかなと思います。

 

ほとんどの患者さんは遺伝ではなく、生活習慣が非常に影響があると言われています。

例えば、高血圧・糖尿病がある方や、運動不足、肥満、喫煙者、こういう方々が非常にアルツハイマー型認知症のリスクがあると言われています。

なので、検診などで早めに予防にシフトしていくことで、アルツハイマー型認知症の発症のリスクを下げていけると言われています。

 

うつ病に関しても、アルツハイマー型認知症のリスクと言われてますので、精神科、心療内科などに適切に通うことで、将来のアルツハイマー型認知症の予防になると言われています。

 

認知症の修正可能な危険因子

 

 

日常生活における注意点

 

 

認知症予防には、多種多様の食事をバランスよく取るというのが大事と言われてます。

幸い日本は食の資源に恵まれてますので、魚類とかも含めて、バランス良い食事を心がけていくというのが一つ大事です。

 

もう一つは運動で、ウォーキングなどを取り入れることで、長期的な認知症予防ができるのではと思っています。

 

 

視聴者さまへのアドバイス

 

 

65歳を超えたご両親や家族がいる方というのは、少しリスクがあります、ということをお伝えしたいです。

今は良くても、5年後、10年後、この方たちにどういうサポートをするのかというのは、ある程度計画していかないといけないです。

 

もし、アルツハイマー型認知症になってしまった場合、家族にはケアの負担になっていきます。

できるだけ介護保険などを利用して、介護疲れにならないようにしていくことも、在宅期間を伸ばしていく一つの鍵ですので、ここは思い切られた方がいいと思います。

 

家族に認知症の方がいる、ということは昔はちょっと恥ずかしいことで、人に言わずに自分たちだけで背負っていくというご家族多かったのです。

しかし今は、介護保険を利用したデイサービスなど、家族以外の人たちに頼るとか、隣人の方々にそのことを伝えていろいろなサポートをしてもらうなど、(認知症と)共生していくという態度が必要じゃないかなと思います。

 

 

 

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