喘息とは:症状、検査、新型コロナ禍における罹患状況について解説

喘息は気道が狭くなり、咳、喘鳴や呼吸困難を起こす疾患です。昨今の新型コロナウイルスの流行により、喘息増悪の罹患状況が変わってきました。今回は、喘息はどのような病気か、検査や診断方法、新型コロナ禍での罹患状況について、名古屋市立大学 大学院医学研究科 呼吸器・免疫アレルギー内科学の新実 彰男先生に教えていただきました。

 

喘息とは:概要、要因

 

 

喘息は、気管・気管支・細気管支などの気道といわれている空気の通り道が狭くなることで自覚症状が起こる疾患です。

例えば、咳が出たりゼーゼーしたり息苦しくなる症状が起こります。

気管や気管支がなぜ狭くなるかというと、気管支に炎症が起きて腫れたり、気管支の周りを取り囲んでいる平滑筋が収縮したりするためです。

 

喘息の要因は外部から入ってくる刺激物質であり、最も重要なのはアレルゲンです。

アレルゲンには家のホコリ・ダニ・ペットのフケ・カビ・花粉・特定の食物などがあり、それが要因となって喘息の症状が起こります。

 

一方、非アレルギー性の喘息は、風邪(特にウイルス感染によるもの)、アスピリンなどの解熱鎮痛薬、天候、ストレス、排気ガス・大気汚染、タバコなどが要因となって症状が起こります。

 

喘息の要因

 

 

喘息の診断:症状、検査

 

 

喘息の代表的な症状は、咳、喘鳴(息をすると喉や胸でヒューヒュー・ゼーゼーと音がする状態)、息が苦しくなる呼吸困難です。

その他には痰が出る、何となく胸が重苦しい、一部の方は胸が痛いと訴える場合があります。

 

このような症状があると喘息を疑い、検査を行います。

喘息はX線画像で異常が出る疾患ではありませんが、腫瘍・結核などがあると喘息と似たような症状が出ることがあるため、腫瘍・結核などの疾患ではないことを確認するためにX線検査を行います。

 

次に大事なのは呼吸機能検査(スパイロメトリー)です。

最近では検診・人間ドックでもよく行われていますが、マウスピースをくわえて思いきり息を吸って吐き出すという検査です。

気管支が狭い状態になっているかを確認できます。

 

気管支に炎症が起こっているか確認する検査として、最も一般的に行われているのは呼気中一酸化窒素濃度検査です。

吐き出した息の中にある一酸化窒素の濃度を測定し、数値が高ければ喘息の疑いが高くなります。

 

以前は、痰や血液中の好酸球を測り、数値が高ければ喘息を疑っていました。

 

アレルギーのある方は、血液検査をすることでダニアレルギーやペットによるアレルギーの有無を調べる事ができるため、アレルギー性の喘息かどうかを判断するために血液検査を行うこともあります。

 

 

新型コロナ禍における喘息の罹患状況

 

 

ウイルス感染(風邪)は喘息症状を増悪させるため、新型コロナウイルスに罹患して喘息が悪化する可能性は当然あります。

 

しかし、新型コロナウイルスが流行した約2年間で喘息の患者さんの動向をみると、喘息が増悪して入院するケースは実は減っています。

この背景には、新型コロナウイルスの感染予防対策としてマスク着用・手洗いが徹底されており、ウイルス感染全般への対策にも繋がっているため、風邪による喘息症状の増悪は減っていると推察されます。

また、多くの人が体調を気遣い、普段よりも注意してお薬を飲むことを心掛けている影響も大きいと思います。

 

新型コロナ禍による影響でもう一つ大事な点は、病院への受診を控える方が少なくないということです。

新型コロナウイルスの感染を恐れて受診を控えてしまうため、内服薬を受け取りに来れずに中断してしまい、喘息が増悪してしまうケースもあります。

初診の方は難しいですが、再診であれば、電話再診やWeb診療を行っている病院も現在は多くなっていますので、内服薬を中断せずに飲み続けていただきたいと思います。

 

 

 

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