脳梗塞の原因になる夏血栓、症状と予防法について

皆さんは、体内で血の塊ができる血栓というものをご存じでしょうか? これは夏場に起こりやすいとされています。 血栓自体は脳梗塞の原因にもなりますが、夏場と脳梗塞の間に一体どういった関係性があるのでしょうか? また、予防法はどういったものなのでしょうか? 今回は、済生会熊本病院 脳卒中センター 特別顧問の橋本 洋一郎先生に「夏血栓」について解説していただきます。

 

夏血栓って何?夏場に起きやすい血栓症のメカニズム

 

 

夏場は多くの汗をかきやすいので、体内の水分が少なくなってしまう「脱水」状態になりやすく、血液が濃くなりがちです。

血液が濃くなった場合、血管内で血栓ができやすい環境になってしまいます。

出来てしまった血栓は全身を回り、いずれ脳や肺などの血管に詰まる原因になります。

 

脳に詰まってしまった場合は脳梗塞となり、命に関わります。

一命を取り留めたとしても、麻痺などの重い後遺症を背負うことになりかねません。

 

脱水による血栓を生み出さないためにも、夏場はしっかり水分をとることが大事と言えます。

 

夏血栓(夏の脳梗塞)とは

 

 

血栓の原因は脱水だけじゃない!血栓ができやすくなる3つの大きな要因

 

 

血栓が出来るリスクとして「血管内皮の状態」「血液成分」「血流」の3つが大きく関わってきます。

 

「血管内皮の状態が悪い」ということは、加齢などで起こる動脈硬化によって血管の弾力性が失われ、血管内皮事態が傷つきやすい状態になっているということを意味します。

血管内部が傷つくことで血栓ができやすくなってしまいます。

 

次に「血液成分」ですが、血液には様々な成分が含まれており、その中に血液を固まらせる成分があります。

脱水などの原因で血液を固まらせる成分の濃度が高くなることで、血栓ができやすくなります。

 

最後の「血流」ですが、血流が遅くなることで血栓ができやすい環境にしてしまいます。

血流が遅くなる原因としては、心臓の機能が弱まる心不全で起こりやすいとされています。

 

Virchowの3原則(Virchow's Triad)

 

 

生活習慣病と血栓の意外な関係、血栓による夏場の危険性

 

 

生活習慣病が血栓のリスクになりうるということはご存じでしょうか?

 

生活習慣病というと、高血圧糖尿病脂質異常症などがあげられます。

こういった疾患を持っている場合、動脈硬化を引き起こしやすいとされています。

 

動脈硬化は血管内皮の状態を悪くするので、血栓ができやすい環境にしてしまいます。

そのため、生活習慣病をもっている方が夏場に脱水になると、余計に血栓リスクが増えてしまいます。

 

 

脳梗塞と脱水の症状は似ている。見分け方について

 

 

脱水症状は軽症のⅠ度から重症のⅢ度まであります。

Ⅰ度ではめまい立ち眩み、Ⅱ度では頭痛吐き気、Ⅲ度では痙攣意識障害があります。

 

これらの症状は脳梗塞でも十分当てはまります。

そのため、脱水と脳梗塞は非常に見分けがつきにくいです。

 

そんな時に使えるのが、Act FASTという脳卒中(脳の血管が詰まったり、出血したりすることで、脳に十分な血液が供給できなくなる疾患)の評価ツールです。

Act FASTで定められた項目にあてはまる症状が多いほど、早期受診の必要性がわかるようになっています。

 

Act FAST

 

 

 

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