小児期には、保護者が子どもの排便状態を観察することが必要です。
定期的に排便できているかという点や、乳児であれば哺乳量、幼児〜児童であれば食事量が著しく減っていないかという点をチェックします。
哺乳や食事にまで影響が及ぶほどになっていると、よほど便が溜まっているか、基礎疾患がある可能性も考えなければならないため、日常的なモニタリングが必要です。
乳児に関して、自力での排便が難しい場合には、綿棒で肛門刺激を行う綿棒浣腸も有効です。
幼児期の大きなイベントとして、2~3歳の時にトイレットトレーニングが行われます。
子どもが排便の挑戦ができないままトレーニングが始まってしまうと、うまく排便できないのに怒られるという状況になりかねません。
そうすると、子どもは極力便を出さないという思考に陥って排便の我慢につながってしまいます。
我慢に伴い便はどんどん固くなり、排便の頻度が下がり便が大きくなって、結果的に便秘になってしまうことがあるのです。
生活習慣改善のポイントとしては、規則正しい排便周期を確立するため、朝食後に排便するのが良いと言われています。
しかし便秘の子にはなかなか難しく、排便に時間がかかる場合もあるため、朝食後でなくても同じような時間帯に毎日排便できるよう、サポートを行いましょう。
例えば夕食後にトイレに向かわせ排便を促し、排便できたら褒め称えてあげて、すっきりしたところで入浴させるという風に、生活の一部に排便が組み込まれることを目指すとよいでしょう。
学童期の便秘に関しては、まずは定期的に排便しているかどうかという排便チェックを行うことが大切です。
学童期となると排便を親に見せることはほぼ無いため、排便があればカレンダーに〇をつけるといった習慣をつけると良いでしょう。
また、便秘解消のためには食事・運動も大変重要です。
食事に関しては、食物繊維が豊富なものや、フルーツ・野菜の積極的な摂取や、適度な水分摂取を促します。
運動に関しては、散歩・ジョギング等の軽い運動を毎日定期的に行うことによって、腸の蠕動を促し排便しやすくすることができます。