心不全の治療内容と再入院を防ぐためのポイント

呼吸苦などの症状を呈する心不全、急性期を脱し比較的症状が安定してくる慢性心不全の治療では色々な薬が導入されます。 心不全治療は薬物治療だけではありません。 食生活や運動習慣など日常生活の様々な点に注意する必要があります。 そんな心不全治療について、国立国際医療研究センター病院 循環器内科診療科長の廣井 透雄先生に解説していただきます。

 

心不全での薬物治療、症状に応じたエビデンスのある治療方法

 

 

心不全の治療では、心拍数血圧のコントロールが重要になってきます。

心拍数が高い患者には心拍数を下げるβ遮断薬を追加します。

 

心不全では心臓の収縮力が低下しているので、代償として心臓は心拍数を上げて全身への血流を維持しようとします。

この状態は長期的な観点でいうと心臓の寿命、つまり予後を悪くしてしまいます。

β遮断薬はその代償機構を抑えることで、心臓の予後を改善することが報告されています。

 

β遮断薬以外で心不全に対する予後改善のエビデンスがあるのがACE-I/ARB/ARNIです。

3つの薬剤は心不全予後改善目的にどれか1つを選択し使用されますが、血圧を下げる薬剤でもあります。

血圧が高い患者の場合は、これらの薬剤でコントロールしていきます。

 

心不全治療では、浮腫みがある患者には利尿剤を追加するなど、症状に応じて薬を追加していきます。

 

 

薬物治療と生活習慣を管理し、心不全の再入院を防ぐ!

 

 

入院中に心不全治療として薬物治療が導入され、コントロール良好となり多くの方が退院となります。

しかし、その中の何人かの方は心不全の再燃として再入院することがあります。

 

多くの原因が日常生活にもどったことで、薬の服用を忘れてしまうコンプライアンス不良や、暴飲暴食などの食習慣の乱れです。

心不全症状が安定している慢性期の治療は呼吸苦などの症状があまりないため、ついつい薬の服用を忘れてしまったり暴飲暴食をしてしまうことが多いです。

自宅に帰っても、薬の服用や食習慣の徹底を行い、心不全の再入院を防ぐことが大切です。

 

他にも感染症を起こしてしまい、心不全を再発してしまう場合もあります。

日々の手洗いうがいなど、感染管理にも注意しましょう。

 

以上の点に注意し、血圧・心拍数・体重を日頃から測定し記録していきましょう。

普段の状態をかかりつけ医に診てもらうことで、心不全の再入院を防ぐことに繋がります。

 

 

アメリカの心臓病学会が推奨するLife's Essential 8とは?

 

 

Life's Essential 8は心不全など心臓の悪い患者に対して、心不全だけでなく心筋梗塞狭心症などの疾患リスクを下げるためのコントロールすべき指標になります。

食習慣運動習慣など、患者の意思で改善に取り組めるような項目になっています。

項目の中には動脈硬化を進行させる糖尿病喫煙もあります。

動脈硬化は心疾患リスクを高める大きなリスク因子になるので、出来るだけ動脈硬化を引き起こす因子は除外する必要があります。

 

Life's Essential 8について

 

 

 

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