胃液が食道へ逆流することで食道の粘膜が障害されるGERD、食後すぐに横になるなどあり触れた生活の一場面がリスク因子となります。
主な症状としては胸やけや呑酸と聞きなれた症状がありますが、これによりQOLが下がってしまうことが報告されています。
GERDは高齢者に多いとされますが、高齢者で起こりやすい他の疾患である狭心症や十二指腸潰瘍と比べてQOLをより低下させるといった報告もあります。
GERDによって低下させられるのはQOLだけに止まりません。
GERDによる胸やけや呑酸などといった症状がひどくなってくると、仕事を休まなくてはならないほどまでQOLが低下してしまいます。
他にもGERDによって仕事の能率が下がるという報告もあり、日本の経済的な影響もないとは言えません。
そんなGERDですが、治療を行えば早めの改善も期待できると言われているため、症状が悪化する前に早めに受診した方がいいでしょう。
GERDは食道の粘膜障害が起こっている逆流性食道炎と、食道に炎症が起こっていない非びらん性胃食道逆流症(NERD)の二つに大別することができます。
そして、このNERDと機能性ディスペプシアは症状が非常によく似ているとされ、鑑別が難しいとされています。
症状としては、どちらも胃もたれなど上腹部の症状を主訴としています。
鑑別するには、食道以外の症状に注目する必要があります。
NERDを含むGERDでは、歯が胃酸によって溶けてしまったり、不眠や慢性の咳といった症状があります。
1970年代の日本はGERDの罹患率はかなり少ない方だったのですが、ここ最近は増えており年々増加傾向にあります。
低く見積もっても日本人の15%以上の方が罹患しているとされており、元々GERDの多い欧米と並んできています。
GERDが増えた原因としては「胃酸の分泌量が増えた」か「逆流現象が増えている」の2つのパターンが考えられます。
胃酸の分泌量の上昇は食事の欧米化やピロリ菌感染率の低下などが考えられます。
逆流症状の増加は亀背など姿勢的な問題や高血圧の薬による逆流症があります。
亀背は高齢者に多いとされ、高齢化が進んでいる日本では余計に上昇している可能性があります。