基本的にGERDでは胃酸分泌阻害薬を使用して治癒することが殆どですが、薬だけでは逆流をコントロール出来ない場合は手術適応になることがあります。
手術を行うことで胃食道逆流症の回数自体を抑えることができます。
手術適応になるためには検査を行いますが、2つの検査で評価していきます。
まずは「24時間の食道内pH検査」です。
胃酸が逆流してしまうと食道内のpHが低くくなり、食道を荒らしてしまう原因となるので、そのpHが食道内でどのくらいに維持されているのか測定する検査です。
インピーダンス検査は電気抵抗を利用して、食道内の逆流物がどういったものなのかを知ることができる検査です。
手術を行う目的は、酸分泌抑制薬でも改善しない胃酸の逆流を防ぐことです。
その一つが噴門形成術です。
噴門形成術は胃の一部を食道に巻きつけ、胃の入口付近を締め直す手術です。
GERDでは胃の噴門と呼ばれる、胃の入口付近に存在する部分の締めが弱くなっている状態なので、その噴門部分を締め直す手術を行います。
このような外科的手術以外でも、内視鏡下で行う治療もあります。
GERDは胃酸の逆流によって起こるため、なるべく胃酸が食道に流れ来ないような習慣を身に着けることが大切です。
生活面で気を付けるべきポイントは、腹部を締め付けるような行為や前屈姿勢です。
どちらも腹圧がかかる行為なので避けた方がよいとされています。
他にも喫煙もGERDのリスク因子です。
食事面で避けるべきはコーヒーやチョコレートなどの高脂肪食です。
高脂肪食は胃酸の出を活発にしてしまうので、GERDの症状が出ている場合は避けた方が良いでしょう。
週に2回以上、胸やけや呑酸が続く場合は早期受診が勧められます。
他にも、つかえ症状やのどの違和感がある場合もGERDの疑いがあるため、受診する必要があります。
GERDか簡易的に診断できる方法としてFスケール問診表というものがあり、8点以上であればGERDと診断できるので、その場合は早めに受診するのも一つかもしれません。
GERDは胃潰瘍よりも胃酸の出を抑える必要があるため、市販薬では改善しないということも報告されています。
GERDは食道癌を合併してしまう可能性もあるので、早期受診ししっかり治療を行うことで、癌の発生自体を予防する事にも繋がります。