胃食道逆流症というのは、胃の内容物が食道側に逆流してきて、こみ上げてくる。その中でも症状がでるのは、胃酸の成分が逆流する、ということが病態の主な原因となっています。実際には、酸だけではなくてその下からくる、腸液みたいなものも症状に関与していますが、一番のメインは胃酸というのが、食道逆流症の原因と言えます。
一番はやはり患者さんの訴えだと思います。症状としては胸焼けやそれより少し下の胃もたれ、もしくは詰まり感とか、定型的な症状といわれるものは胃酸による胸焼けというふうな、もしくは逆流症状になります。
ただ逆流性食道炎、胃食道逆流症というのは、定型症状といわれるものだけでなく、非定型、いわゆる、これも本当にそうなの?と思われる症状も時々あります。例えば、咳(喘息)とか、虫歯、のど元の違和感とかを訴える方もいるので、この胃食道逆流を疑った場合にはやはり内視鏡を行った方がよいように思います。
一番わかるのはやはり内視鏡で、「びらん」と言って、食道と胃の接合部のところに内視鏡的な炎症の所見がある。これを逆流性食道炎と言います。
一方で症状はあるが「びらん」がないものを「NARD」(非びらん性胃食道逆流)と言っていて、一応これは、治療のガイドライン上も治療方法を少し変えていきましょうと現在は提唱されております。
一番は何よりも内視鏡検査であると言えると思います。内視鏡的に見て食道と胃の接合部のところに、「Mucosal break」と言われるびらんがあるのか、明瞭な発赤もしくは白苔があるのかということで診断します。
ただ内視鏡の前に、何よりも問診が重要になって、症状がどうなのかをチェックします。様々な問診票がありますが、おそらく今日本もしくは世界の中でもよく使われているのは、Fスケールという、症状のいわゆる出現頻度を測るものです。
こちらが例えば8点を超えてくるというと逆流性食道炎の確率がかなり高いということになります。そのため、疑った場合には内視鏡検査を積極的に行います。症状だけでなく、本当に酸が逆流しているのかということを実際に24時間、日常生活の中で測る検査があり、これがpH検査もしくはインピーダンス検査というものです。これは、今は、日常診療では普及していないですが、今後は増えていくのではないかと考えています。