【目次】
00:22~ 大腸の構造と区分
02:24~ 大腸がんの治療
03:55~ 大腸がんの外科手術
05:15~ 外科手術の危険性
06:37~ 大腸がんの外科手術の変遷
08:34~ 肛門温存術
大腸は、消化管の最後の1.5m程度の部分です。盲腸は大腸の始まりの部分ですが、よく一般の方が言う「盲腸の手術」は医学的には「虫垂の切除」です。
大腸は結腸と直腸に分けられ、直腸は肛門までの15cm程度の部分を言います。結腸と直腸では役割が異なっています。結腸では水分の吸収が主な役割で、直腸は送られてきた便を溜める役割を担っています。
大腸がんの治療は、基本は切除となりますが、内視鏡的手術などもあります。
早期のがんに対しては特に内視鏡による手術が一般的になっています。いわゆる外科手術は主に進行がんに対して行います。
大腸がんの外科手術をする際に重要なのは診断です。転移の有無を診るのがポイントとなります。
転移があれば、手術は複雑になることがあります。手術以外にも化学療法や放射線療法を利用した治療を考慮することもあります。
どのような疾患の治療でもその危険性を把握しておくことが大切です。大腸がんの外科手術でも同じで、まずは全身麻酔によるトラブルや、術後の合併症などが想定されます。
これらの合併症やトラブルについては、医療従事者たちが十分に注意管理をするのが当然ですが、事前の説明で患者さん本人がよく理解して納得した上で、治療を受けることも大切です。
医学の進歩により、大腸がんの外科手術も少しずつ変化してきました。より低侵襲に、より回復しやすいように、という方法に変わってきたのです。
その筆頭が開腹手術から内視鏡手術への移行です。内視鏡手術は、1~2cm程度の孔を4、5個開けて、そこから器具を挿入して操作するというもので、開腹手術のように大きく腹部を切る必要がありません。
これによって痛みも減り、癒着のリスクも減ります。
しかし、全てのケースにおいて「開腹手術よりも内視鏡手術の方が良い」ということではありません。設備とスタッフの整った施設で、技術認定された医師が行う、というのがポイントです。
また、患者さんが信頼できる医師が執刀する、というのも大切です。
肛門の温存は、大腸がんの治療において、とても重要なトピックです。
排尿排便に必要な神経や性機能に関わる神経なども関わりますので、生活の質に直結します。
大半の大腸がんの治療は、1分1秒を争うものではなく、様々な選択肢を検討し、よく相談して、決めることができます。