大腸早期癌の診療と治療の最前線 -Part1-

大腸早期がんの診断と治療
がんの罹患者数予測を見ると、大腸がんが最も多くなっています。特に男性で最も罹患数が多いと予測されています。一方で、大腸がんは早期に発見できれば完治の可能性も高く、死亡率も低くなると言われています。実際にどのように検査・診断がなされるのでしょうか。大阪医科大学付属病院 がんセンター 特務教授 奥田 準二先生に詳しくお伺いしました。

 

【目次】

00:22~ 大腸がんの診断と治療の最近の知見

00:40~ がんの罹患数予測と死亡数予測

04:18~ 早期大腸がんの診断と治療

09:33~ 困難症例での診断と治療の最前線

 

 

大腸がんの診断と治療の最近の知見

 

がんの罹患者数予測を見ると、大腸がんが最も多くなっています。特に男性で最も罹患数が多いと予測されています。

がんによる死亡数予測では、大腸がんは肺がんに次いで2番目の予測数となっています。つまり、悪性度が高い悪性腫瘍ということになります。特に、女性では大腸がんによる死亡数予測が最も多くなっています。

このような予測となる原因としては検査があまり進んでいないことや、生活習慣の変化などが考えられます。

ここで重要なのは、40歳以上の人は大腸がん検診を定期的・積極的に受診し、少なくとも便潜血検査だけでも受けておくことです。また、大腸内視鏡による検査も確実です。

大腸がんは早期に発見できれば治療可能性も高く、死亡率も低い都案が得られています。

 

 

早期大腸がんの診断と治療

 

大腸がんには、ポリープ型(いぼ)、平坦型、結節集簇型がありますが、粘膜表面にとどまるものが早期がんと言われます。

この場合、転移の可能性も低く、内視鏡によるポリープ切除/粘膜・粘膜下切除が可能ですので、治療も比較的簡単です。

早期がんの目安としては、粘膜表面から1mm以内の浸潤とされています。1mmを超える浸潤になると、腸周囲のリンパ節への転移、肝転移、肺転移のリスクが高くなりますので、腸ごと切除する手術が必要になります。

 

 

困難症例での診断と治療の最前線

 

最近では、色素内視鏡など新しい機器の発達によって、早期のがんでなくても、侵襲の少ない術式で治療できるケースが増えてきました。

見つかるのが早ければ早いほど、手術せずに治療できる可能性が高いのです。

ただし、1mmを超えるような大きさの浸潤がある場合は、転移の可能性があるため、腸切除が必要になります。この時、内視鏡の他、超音波内視鏡などでその病変部の検査を行います。

「早期か進行か」は浸潤の程度で、「進行度」はリンパ節転移の有無などで判断されます。進行度によっては、治療の方針が大きく変わります。

 

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