直腸癌手術の注意点 -Part3-

直腸がんの手術
5G時代の到来は、一般生活のインフラ面において多大な恩恵を得られることが予想されておりますが、医療の世界においても例外ではありません。あらゆる面での享受は考えられますが、「手術」の観点でも得られると考えられています。そこで、大阪医科大学附属病院 がんセンター 特務教授 奥田 準二先生に、”大腸がん手術の近未来予想”を交え、ご解説いただきました。

 

【目次】

00:08~ 次世代の手術・ロボット手術

06:03~ 5Gによる通信革命

07:45~ 近未来の大腸がん手術

08:50~ 「心で使うこと」、外科医の今後

 

 

次世代の手術・ロボット手術 - 今後の大腸がん手術のゆくえ

 

腹腔鏡手術の次世代の手術として注目されているのが「ロボット手術」です。2018年4月から一部の疾患で保健適用が開始しました。

ロボット手術のポイントは「3Dで術野を見ることができる」「多関節のアーム」「人間ならではの手振れを補正してくれる」です。

問題点としては、まず非常に高額であること(1台2億超)、保険適応されている疾患が限られていること、手術時間が長くなる傾向にあることや手術室の制約が生じることなどが挙げられます。

これら一つ一つの問題点を解消していき、次世代の手術方式としてロボット手術を広く導入していくことが目指されています。

発表内では、実際のロボット手術を動画で紹介しています。アーム先端のカメラは自在に回転して色々な角度で病変部を観察することができ、蛍光法による血流確認も容易です。

経肛門的に内視鏡を挿入することで、2方向からのアプローチで術野を見ながら、手術をしていくこともできます。

 

最近、5G通信の汎用が現実的になってきました。5Gの特徴である「超低遅延」を利用した遠隔手術の可能性が期待されています。

上手く活用すれば、医療アクセスの地域格差解消にも繋がるかもしれません。

 

近未来の大腸がん手術は、「お腹に傷を作らない(無小切開創手術:NOSES)」手術です。

新型の手術ロボットda Vinciは、非常に細い鉗子とカメラが付いたアームがあり、より低侵襲な手術への可能性が高まっています。

 

このようなロボット手術を進めていく上で重要なのは、「心で使う」ということです。

2017年にできた「外科医塾」では、広く外科医が集まって、外科医としての今後の展望などを意見交換し、学びを深めています。

近年、術式は多様になっており、どれを選ぶべきかに迷う医師が多くなっています。ここで重要となるのが「心の根・覚悟の幹・智恵と行動の枝」の3本柱でしょう。

結果の部分だけを見るのではなく、そこに至る過程を深めていくことが大切なのです。

今の外科チームは個性を大切に、人を活かしながら、人を生かすことが大切にされています。

 

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