大腸早期癌の診療と治療の最前線 -Part3-

大腸早期がんの診断と治療
大腸がんにおいて、早期発見が治療の選択肢を最大限広げる上で特に肝要になります。そのためには検査が必要となりますが、「痛い・怖い」というイメージがあった検査も医療機器の改良により負担の軽減がされています。術前検査や手術時の身体への負担も同様に「低侵襲」に施行することが可能になっています。大阪医科大学附属病院 がんセンター 特務教授 奥田 準二先生に実情を詳しくお伺いしました。

 

【目次】

00:09~ 「傷を小さく、少なく」するために

06:23~ 完全腹腔鏡下結腸切除

10:30~ 進行大腸がんの術前検査・3DCTによるシミュレーション

16:41~ 視覚テクノロジーのアップグレード

 

 

「傷を小さく、少なく」するために

 

早期に見つけて、内視鏡などで治療することができればベストです。しかし、全てのケースで早期発見できるわけではありません。

進行がんであっても、内視鏡が使えないケースでも、できるだけ傷を小さく・少なくすることが追求されています。

特に、手術難易度が低い部分では内視鏡による切除で実施することで負担を軽減する試みが行われています。その中で、単孔式腹腔鏡手術は、傷が1つで済む手術式です。

工夫と技術の進歩で低侵襲の手術が可能になっています。

発表内では、実際の手術の動画を紹介しています。

 

さらに進んだ術式が「完全腹腔鏡下結腸切除」です。

腫瘍部に触れないように、適切に腸を切除し、安全に吻合することを目指しています。この術式では、剥離しなければならない腸の範囲が狭くすむため、肥満や腹部癒着のある患者にも行えます。

また、切開する部分もある程度自由に決められるため、より低侵襲な手術が可能です。発表内では実際の手術の動画を観ながら手順を解説しています。

 

 

進行大腸がんの術前検査・3DCTによるシミュレーション

 

大腸がんの検査は「痛い・怖い」というイメージがあるため、回避される傾向にあります。

最近は、カメラの性能や細さも向上しているため、辛い検査のイメージは払拭されつつあります。

現在、大腸がんの術前精査では、内視鏡をしてからCT撮影の流れが主流となっています。CTは3D撮影が可能となっており、転移のチェックなどもできるようになっています。

手術中も撮影した画像によるナビゲーションをつけることで、より精密な手術が可能になっているのです。

 

最近では、リアルタイムの撮影で病変部などの状況を確認できる技術も出てきています。これは、手術の質向上だけでなく、若手医師の教育やトレーニングのためにも非常に有用です。

 

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