豊中敬仁会病院の特色と目指す医療 〜内視鏡ロボット手術センターへの特化〜

大腸がんの手術
150床以下急性期病院では日本初となる、ダヴィンチ手術の導入を実現した豊中敬仁会病院。同院 理事長 岡 博史先生に導入の経緯と同院の目指す地域に根ざす医療についてお伺いしました。インタビューアは本サイトにもご出演いただいている同院 内視鏡ロボット手術センター長 院長補佐 奥田 準二先生にご担当いただいております。

 

豊中敬仁会病院の経緯

 

大腸がんでは、病状によって手術による侵襲を少なくするために内視鏡下手術などが行われます。

大腸がんの中で最も難易度が高い直腸がんの手術では、肛門を温存できないと人工肛門にせざるを得ません。

また、性機能や排尿機能を司る骨盤内自律神経の温存も重要な課題とされてきました。そのため、肛門や骨盤内自律神経温存のために安全で質の高い治療法が求められています。

社会医療法人 彩樹グループの豊中敬仁会病院は、中小病院では数少ない内視鏡ロボット手術センターを開設し、最先端の治療に当たっています。

 

奥田先生:豊中敬仁会病院のこれまでの経緯をお伺いできますか?

 

岡先生:中小病院でも内視鏡ロボット支援下手術を行える病院を作りたいと思っていました。

実現するまでには、資金、スタッフ、病院の体制を整えることが必要でした。

法人としては、守口敬仁会病院やクリニックの運営で基盤ができたため、平成30年に社会医療法人に認定され、豊中敬仁会病院をバックアップしています。

 

 

ロボット支援下手術への特化

 

奥田先生:守口敬仁会病院は、患者さんを24時間断らない大きな病院です。

一方で、豊中敬仁会病院は病床数60床と規模が小さく、幅広い診療は難しいため、逆に特化したということでしょうか?

 

岡先生:外科でロボット支援下手術を導入した中小病院はこれまでありませんでした。

また、泌尿器、整形、心臓血管などの疾患に特化した病院は全国にありますが、消化器がんの手術に特化した病院はありませんでした。

守口敬仁会病院は幅広く診療していますが、1つに特化しにくいです。一方、豊中敬仁会病院は規模が小さく、幅広く診療できません。

そこで、病床数が少なくても大腸のロボット支援下手術に特化すれば、病院として十分運営でき、患者さんにメリットがあると思いました。

 

 

内科と外科のワンチーム

 

奥田先生:同院は消化器内科と消化器外科の混合診療が特徴で、非常にコミュニケーションがとりやすいと思います。

内視鏡治療の適応であれば消化器内科で治療できますし、腹腔鏡やロボット下手術の適応であれば消化器外科にすぐに紹介できます。

 

岡先生:大腸疾患は消化器内科と消化器外科が両輪で行っていかなければならないため、ワンチームで対応するのが最善だと思います。

 

 

敬仁会への名称統一ついて

 

奥田先生:病院の名前を敬仁会に統一されたのも、ワンチームとしての一つの表れですか?

 

岡先生:大学病院や基幹病院は高度な医療がメリットではありますが、組織が大きく、医師がたくさん手術を行いたくても手術室の制限やDPCの問題があります。

患者さんは、その領域のトップの医師に手術してもらいたいでしょうけれど、物理的に難しいです。患者数が多く、術後5〜10年のフォローアップも難しくなります。

中小病院の場合は、医療レベルが問題となります。例えば、循環器や肝疾患の合併や異変が起こった場合、中小病院だけではバックアップできません。

その際、守口敬仁会病院はICUや救急科、循環器科など幅広い診療科が整っているため、豊中敬仁会病院をフォローできます。

法人がバックアップして、関連病院がワンチームとなって対応することが理想的な医療だと思います。

 

 

外来対応について

 

奥田先生:岡先生は、守口敬仁会病院と豊中敬仁会病院のどちらも外来をされていますが、今後も続けていかれるのでしょうか?

 

岡先生:これまでの経験で内科系と外科系の知識や人脈もありますので、セカンドオピニオンを含めて相談があれば対応したいと思っています。

 

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