大腸がんを予防するための薬やどのような習慣をすれば良い、といったことは現時点ではまだ明らかになっていません。
しかし、大量の飲酒や喫煙、肥満などは大腸がんのリスクファクターとして知られています。そのため、大腸がんの治療に取り組む上でも予防する上でも、上記に挙げた3つのようなことは避ける必要があります。
また、運動不足も大腸がんのリスクであると言われています。
大体1時間前後で少し息が上がる程度の軽い運動を週に3日以上行うことで、大腸がんのリスクをある程度減らすことが出来るという報告があります。
定期的に運動する習慣をつけることで、がんのリスクを減らせる可能性があるため、検診などで陰性の診断を受けている人も、意識してみると良いのではないでしょうか。
ただし、飲酒・喫煙歴の無い人や普通体型の人、運動習慣のある人であっても、大腸がんは完全に予防できる訳ではないため、内視鏡検査を定期的に受診することで、早期発見・早期治療をすることが重要です。
大腸がんの検査を多く行なっている施設や医師であれば、大腸がんが生じたときには確実に診断することが出来ますし、苦痛の少ない検査となるよう配慮が出来ます。
インターネット上の情報は玉石混交であり、情報量の多さで必要な情報を得ることは困難です。
色々な出版社によって、大腸がんについての関連書籍が出版されていますが、その中には検査数や症例数のランキングなどを取り上げた雑誌なども出版されています。
一般的に、インターネットと比較すると、書籍や雑誌の方が信頼性が高いため、そのような情報ソースを当たることで、安心して検査を受けられる、良い病院を探すことが出来るのではないかと思います。
大腸がん検査を多く取り扱っている医療機関は各都道府県に数施設はありますから、検査を受ける前に調べてから訪ねるのが良いでしょう。
吉田先生は大腸がん検診の普及活動をやっておられますが、「元気な方と触れ合いたい」「元気な方にこそ検診を受けていただきたい」と言います。
そのような活動の一環として、5年前から様々なマラソンレースに出場し、検診の呼びかけを行っています。これは、「京都大腸がん検診啓発ランナーズ(K-Dr)」というNPO法人による活動の1つで、検診に誘うイラストやコピーの入ったTシャツを着て走ることで、多くの人に少しでも検診のことを知ってもらいたいということです。
現在では全国で30名以上の人が大腸がん検診の啓発Tシャツを着て、色々な場所で走る取り組みを行なっているようです。
取り組みを継続することで、多くの人に大腸がん検診の存在を認知してもらい、一人でも多くの人が検診に訪れてくれるようになることが目標となっています。
現在、日本人が最もなりやすいがんが大腸がんであると言われています。
症状が現れてから来院する人は多くいますが、あと1~2年早く検診を受けて発見していれば、予後が良かったのにという症例は多々あります。
年々、大腸内視鏡の機器の性能や患者さん側の苦痛も低減されており、より多くの人が気軽に受けられるような検査になってきています。
これまで「ハードルが高いな」と思っていた人も、勇気を出して検診に行ってみてはいかがでしょうか。