卵巣がんの検査・手術・薬物療法

白金(プラチナ)製剤
卵巣がんの治療では、手術と抗がん剤治療がとくに大切です。 卵巣がんを疑われたらどのような検査を行い、どのように治療を行っていくのか、兵庫県立がんセンター 腫瘍内科の松本光史先生に教えていただきました。

卵巣がんの検査

卵巣がんは、自覚症状、初期症状があいまいではっきりしません。

そのため、早期発見が難しいがんの代表例と言われます。

 

患者さんが自覚する症状で多いのは、腹部膨満感、つまりお腹が張っている感じや、便秘、お通じが出づらい――などですが、症状のみで見つけることは難しいがんの一つです。

 

卵巣がんの確定診断を行うには、まず、CTやMRIなどの画像検査で、お腹のなかや骨盤の状態を評価します。

また、卵巣がんは、お腹のなかに病気が広がる「腹膜播種」を起こしやすく、腹膜播種が見られる場合は、胃がんや大腸がんではないことを確認するために、胃や大腸の内視鏡検査を行うこともあります。

 

卵巣がんが疑われ、かつ、胃がんでも大腸がんでもないことがわかったら、組織の一部を採って確認する生検(生体検査)を行い、最終的な診断を下します。

 

以前は、生検は開腹手術で行っていました。

そのため患者さんの負担が大きかったのですが、最近では腹腔鏡などを使って、侵襲(体へのダメージ)の少ない手術で行うようになっています。

 

卵巣がんのステージ

卵巣がんのステージ(進行度)は、次のように主に1期から4期にわかれます。

 

1期 がんが、卵巣または卵管内にとどまっている

2期 がんが、骨盤内に広がっている

3期 がんが、腹腔内に広がっている

4期 遠隔転移がある

 

1期のごく一部の患者さんは、手術のみで治療が完了し、その後、経過観察を行うのが標準治療です。

それ以外の患者さんは、基本的に、手術と抗がん剤治療(化学療法)の組み合わせが標準治療になります。

 

卵巣がんの手術と薬物療法

卵巣がんの手術では、子宮と両方の卵巣・卵管をとるのが基本です。その上で、リンパ節や腹膜播種の状況を確認します。

 

また、骨盤や大動脈のまわりのリンパ節を切除し(リンパ節郭清)、がんがないことを確認する場合もあります。

 

薬物療法は、1期の場合は、「カルボプラチン」と「パクリタキセル」を、パクリタキセルがアルコール不耐などの原因で使えない場合には「ドセタキセル」という薬で代用し、3週間に1回行うのが標準治療です。

2期、3期、4期では、「カルボプラチン」と「パクリタキセル」を6コース行うことがガイドラインでもっとも推奨されています。

 

なお、カルボプラチンとパクリタキセルを組み合わせた治療法のことを「TC療法」と言います。

 

抗がん剤治療は、すべて外来で行うのが基本です。

病院や患者さんによっては初回の1コースのみ入院で行うこともありますが、基本的は最初から最後まで外来で投与可能な治療です。