胃がんの基礎知識:危険因子、発見経緯、治療法について

胃がんは早期では症状がほとんど出ず、昔は国民病と言われていた程、多く罹患しています。 しかし、最近では胃がんの危険因子であるピロリ菌感染者数の減少に伴い、罹患数に変化が出てきています。 そこで胃がんの危険因子、発見経緯、治療法について、宮城県対がん協会 がん検診センター 所長の加藤 勝章先生に教えていただきました。

 

胃がんの罹患状況

 

 

国のデータでは、胃がん罹患数(2018年)は男女合わせて12万6千人、死亡数(2019年)は4万3千人で、罹患数・死亡数ともに肺がん・大腸がんに続いて第3位であり多くの人が罹っています。

 

我が国のがん罹患と死亡

 

 

胃がんの危険因子

 

 

胃がんの明らかな危険因子は、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)です。

そのため、胃がんは基本的に感染症による発がんであると言えます。

 

ピロリ菌の中には毒性の強い株と弱い株があり、日本や韓国で胃がんが多いのは毒性の強い株が蔓延しているためです。

昔は国民の大多数がピロリ菌感染者であったため、胃がんは国民病とも言われていました。

 

しかし、最近では若者を中心にピロリ菌の感染者が減り、感染した人もピロリ菌の除菌治療を既に行っている人が増えてきたため、胃がん罹患者数は大きく減少しています。

特にピロリ菌の除菌をした人は、現在感染している人に比べて胃がんの罹患率は40%程度低いと言われています。

そのため、ピロリ菌の除菌をした人が今後増えてくれば、胃がんの罹患者数も減ってくると予測されます。

 

胃がんを発見するためには血液検査・バリウム検査・内視鏡検査による検診・検査を行い、ピロリ菌感染・萎縮性胃炎の有無をチェックすることが大切です。

 

 

胃がんの発見経緯

 

 

胃がんの発見経緯として、胸焼け、胃もたれ、みぞおち辺りの痛み等があって受診し、内視鏡検査を受ける場合が多いです。

また、かかりつけ医から検査を勧められる場合もあります。

 

痩せ、痛み、食欲不振の症状が出ることがありますが、胃がんが相当進行した場合であり、早期胃がんの場合には症状は出ないことが多いです。

そのため、がん検診を積極的に受け、がんの発見に努めていくことが重要です。

 

 

胃がんの治療法

 

 

胃がんの治療は、粘膜の中だけに病変が留まっているような非常に早期の段階であれば、現在は外科手術を行うことなく内視鏡で病変を摘出する治療が可能となっています。

 

がんの浸潤が少し進み内視鏡治療だけでは不十分な場合は、外科手術を行います。

また医療技術の進歩により、身体の負担が少ない腹腔鏡手術も様々な施設で行えるようになってきています。

 

がんがさらに進行してしまった場合は、化学療法・放射線療法で治療を行います。

ステージⅠの段階で胃がんが見つかれば生存率は90%以上と言われているため、生存率や治療による身体への負担等を考慮すると早期に胃がんを見つけることが最も重要です。

 

 

 

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